矯正歯科治療とは

お子様の矯正歯科治療

当院では、お子様の矯正歯科治療を早期から行うことが大切だと考えています。歯並びが良くない場合、お口の機能が健康な発達をしていない可能性があるからです。

お子様の矯正治療における当院の考え方と治療についてお伝えします。

従来のお子様の矯正歯科治療と当院の治療の違い

従来の矯正歯科治療では、10代で永久歯に生え変わる時期に、顎の大きさと歯の大きさのバランスを見て、必要な本数の歯を抜いて並べる方法が一般的でした。

成長期は、永久歯の生え変わりにともない、さまざまな歯並びの問題が現れやすい時期です。そのため、お子様の矯正治療では、将来を見据えた予防的なアプローチが大切です。

当院では、お口のなかだけでなく顔全体の骨格のバランスを保つために診査と診断を行い、成長期のお子様に対して「顎顔面骨格拡大矯正」という治療法を提供しています。

顎顔面骨格拡大矯正とは

顎顔面骨格拡大矯正とは、口腔内に「急速拡大装置」と呼ばれる、顎の骨全体を広げる特殊な器具を装着する治療法です。そうすることで顎の正常な成長を促し、バランスの良い歯並びになるように調整します。

その後、調整した歯並びがもとに戻るのを防ぐため舌や口の周りの筋肉のトレーニングを行います。顎顔面骨格拡大矯正のメリットは、次のとおりです。

• 顎の成長をサポートする
  上顎が未発達だと、必然的に口呼吸になり、鼻づまりやいびきの症状が現れるでしょう。顎顔面拡大矯正により上顎の骨を広げられると、鼻孔や気道をしっかり確保でき、鼻呼吸ができるようになります。
  また、永久歯が生えるための十分なスペースの確保にもつながります。
• 十分な舌のスペースを確保する
  口呼吸が習慣になると舌の位置が下方へ落ち込み、上顎の横幅がせまくなり、前歯が出っ歯になったり下顎が後退します。その結果が、出っ歯による歯並びや噛み合わせの悪さです。
  そこで顎顔面拡大矯正により顎全体のバランスを整えると、美しい歯並びになるだけでなく舌のスペースが広くなり正しい機能や、気道の拡大も期待できます。
• できる限り抜歯を避けた治療ができる
  従来の治療法では抜歯をすることにより顎と歯のバランスを保っていましたが、抜歯は患者様の負担が大きいものです。
  顎顔面拡大矯正は歯の並ぶ土台を拡大するため、抜歯による負担を少なくすることがメリットといえるでしょう。
  当院には、顎顔面拡大矯正の専門的な知識・技術を持ち、米国の学会から認定を受けた医師が在籍しております。ご不明な点はお気軽にご相談ください。

お子様の歯科矯正と呼吸機能の関係

成長期の矯正歯科治療は、歯並びの改善だけではありません。お口がぽかんとあいているお子様を見かけることがありますが、そのような場合には鼻が詰まっていたり、気道が狭くなっていたりする可能性があります。

そのため、できるだけ鼻呼吸しやすい環境を整えることが大切であり、その方法のひとつが顎顔面拡大矯正なのです。

鼻呼吸には次のようなメリットがあります。

• 空気の浄化：細菌やウイルスが外から体内に侵入することを予防
• 適度な湿度と温度調整：適度な温度と湿度のある良質な呼吸ができるため、夜間の安眠へつながる効果
• 虫歯になりにくい：唾液量が増え、歯の洗浄や歯を守ってくれる効果

また、お子様の睡眠の質は成長にも大きく影響するため、軽視できません。次の章で睡眠と成長の関係をみていきましょう。

お子様の睡眠の質と成長の関係

矯正歯科治療にはお子様の睡眠や学習など、さまざまな影響があります。

反対に睡眠の質が悪いと、日中ぼんやりしたり、集中力が続かなかったりして、学習効率の低下や精神面の問題が生じやすくなります。

このように顎顔面拡大矯正治療は、単に歯並びを調整するだけでなく、呼吸機能や成長もサポートするといえるでしょう。

お子様の矯正歯科治療の進め方

大人の歯が生える乳歯の時期から、大人の歯の不正咬合のリスクは判定できます。できるだけ早い時期から矯正を顎顔面拡大矯正治療を検討できると、顎の骨が柔らかく、治療もスムーズに行えます。

噛み合わせに問題がある場合、顎の発達を上顎の劣成長が妨げいていることがあります。治療により顎を発達させた後に歯並びを整え、良好な噛み合わせになるようにすることが大切です。また、顎の成長は個人差があるため、お子様の成長にあった治療を提供いたします。

矯正歯科の治療中の注意点としては、器具を装着していると歯磨きがしづらいため、虫歯や歯肉炎になる可能性があります。当院では矯正器具を装着した際の歯磨き方法について丁寧にお伝えしております。

成人の矯正歯科治療

大人は年齢を重ねることで顎の骨が固く、動きにくくなるという特徴があります。顎の骨が固くなった状態で矯正のために顎を広げるというのは、従来の治療法だと入院が必要でした。

従来の治療と当院の特徴的な治療法

(*)PRGF療法：患者様自身の血液を活用した再生療法

また、マウスピースを使用した歯科矯正をご存じの方もいるかもしれませんが、この方法には次のような課題があります。

• 顎が小さい方への適応が難しい
• マウスピースを取った後の歯並びの後戻りのリスク

このように、マウスピースの矯正治療における効果が期待できないケースがあります。当院では患者様の状態に合わせた治療計画を立てるとともに、次のようなアプローチを行っています。

• 顎の土台となる治療を先行
• ワイヤー装着期間の最小化
• 希望により見えない矯正装置（舌側）　の使用（舌側のワイヤーを目立たせない矯正治療）
• 希望により仕上げ段階でのマウスピース活用

矯正歯科治療の流れ

ここでは、矯正歯科治療の流れをご紹介します。

矯正治療における外科処置について

歯並びや噛み合わせの状態によっては、顎の位置を整える外科処置を行うことがあります。日帰りの手術でできるだけ体への負担を抑えた手術方式です。外科的手術が必要になった際には、丁寧に説明しますのでご安心ください。

またPRGF療法を使用するため痛みや腫れの症状は軽減されます。

当院で全身の健康につながる矯正治療を

当院では、きれいな歯並びによる見た目の向上だけでなく、顎関節の機能や呼吸機能など、お口の機能全体の改善を目指した矯正治療を提供しています。お子様の健やかな成長のサポートから、成人の方のお口の機能改善まで、患者様お一人おひとりの状態に合わせた治療プランをご提案いたします。

矯正治療についてのご不明点やご相談は、お気軽にお問い合わせください。当院スタッフが丁寧にご説明させていただきます。