2025年12月24日

旅行を心から楽しみたいのに、いびきが気になる方へ
いびきは、ご自身が眠っている間に起こる現象ですから、その音の大きさや頻度を正確に把握することは困難です。しかし、旅行先での宿泊では、普段以上に周囲への配慮が求められます。大部屋での宿泊、友人との相部屋、パートナーとの初めての旅行など、いびきが人間関係に影響を及ぼす場面は数多く存在します。
本記事では、旅行前にできる即効性のある対策から、いびきを根本的に改善する治療法まで、包括的に解説します。いびきに悩む方が、安心して旅行を楽しめるよう、実践的な情報をお届けします。
旅行前に準備できる即効性のある対策グッズ
旅行までの時間が限られている場合でも、市販のグッズを活用することで、いびきを軽減できる可能性があります。
鼻腔拡張テープ:手軽で効果的な選択肢
鼻いびきが疑われる場合、鼻腔拡張テープは最も手軽な対策です。テープに内蔵されたプラスチックバーのバネの反発力を利用して、鼻腔を広げ、鼻呼吸をサポートします。鼻骨の下に貼るだけなので、誰でも簡単に使用できます。
旅行先や出張先での使用にも適しており、持ち運びが容易です。ほとんどの製品がベージュや透明のテープなので、見た目も目立ちにくいという利点があります。剥がれが心配な場合は、強粘着タイプを選択してください。
ノーズピン・ノーズクリップ:テープが苦手な方に
テープの使用が苦手な方には、ノーズピンやノーズクリップがおすすめです。鼻の内側から鼻腔を広げて、空気の通り道を確保します。コイル状やクリップ状など、さまざまな形状がありますが、いずれも差し込むだけで使用できます。
しっかりと鼻腔を広げたい場合は弾力性のあるラテックス製、つけ心地を重視する場合は柔らかなシリコン製を選択するとよいでしょう。
いびき対策マウスピース:より積極的なアプローチ
市販のマウスピースは、下顎を前方に保持することで気道を拡げ、いびきを防止する効果が期待できます。樹脂製のものは、お湯で柔らかくして自分の歯型に合わせて成形できるため、フィット感が良好です。
ただし、旅行前にマウスピースを作成する場合は、ある程度の時間的余裕が必要です。健康保険を使用して歯科でカスタムメイドのマウスピースを作成する場合、睡眠時無呼吸症候群の診断が必要となり、完成まで1か月半ほどかかります。
旅行中に実践できる生活習慣の工夫
グッズの使用と並行して、旅行中の生活習慣を見直すことで、いびきをさらに軽減できます。
寝る姿勢の調整:横向き寝の効果
仰向けで寝ると、重力によって舌が喉の奥に落ち込みやすくなります。横向きに寝るだけで、舌の落ち込みが防がれ、気道が広がりやすくなります。これは、最も簡単で即効性のある対策の一つです。
横向き寝を維持するために、抱き枕を使用したり、背中にクッションを置いたりする方法が有効です。
飲酒と食事のコントロール
旅行先では、普段よりも飲酒量が増える傾向がありますが、就寝前の飲酒は控えることが重要です。アルコールは喉の筋肉を弛緩させ、いびきを悪化させます。また、夕食の食べ過ぎも、横隔膜を圧迫して呼吸を妨げる可能性があります。
適度な量の食事と、就寝の2~3時間前までに飲酒を終えることを心がけましょう。
鼻呼吸の促進
鼻づまりがある場合は、早めに対策を行うことが大切です。花粉症の時期には、事前に耳鼻科で相談し、鼻の通りを良くする治療を受けることをおすすめします。また、宿泊施設のエアコンによる乾燥を防ぐために、加湿器を使用したり、濡れタオルを室内に干したりすることも有効です。
いびきを根本から治す専門的な治療法
一時的な対策だけでなく、いびきを根本的に改善したい場合は、専門医による治療を検討する必要があります。
口腔内装置(マウスピース)療法
歯科で作成するカスタムメイドのマウスピースは、下顎を前方に保持することで、睡眠中の気道閉塞を防ぎます。軽度から中等度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)に対して、高い効果が報告されています。
カスタムメイドの滴定可能な装置は、市販のタイプよりも効果的です。
持続陽圧呼吸療法(CPAP)
中等度から重度のOSAに対する標準治療は、CPAPです。鼻に装着したマスクから持続的に空気を送り込むことで、気道の閉塞を防ぎます。薬剤を使用しないため、安全で効果的な治療法とされています。
ただし、旅行時には装置の持ち運びが不便であるという課題もあります。そのため普段からマウスピースとの併用療法を推奨しております。
レーザー療法(ナイトレーズ)
ナイトレーズは、レーザーを用いて喉の粘膜をやさしく引き締める治療法です。
痛みが少なく、麻酔を必要としないため、安心して受けられるのが大きな特徴です。施術時間はおよそ15〜30分程度で、治療後の腫れや出血などのダウンタイムもほとんどありません。
口腔咽頭運動療法(お口周辺の筋トレ)
舌、軟口蓋、咽頭側壁を動かす等尺性運動と等張性運動のセットは、睡眠時無呼吸症候群の重症度を約30~40%改善できることが報告されています。ただし、患者が運動を頻繁に(1日に2~3回)行う必要があり、長期的な遵守が課題となります。
まとめ:安心して旅行を楽しむために
いびきは、旅行を心から楽しむ上で大きな障害となりますが、適切な対策と治療によって改善が可能です。
旅行前には、鼻腔拡張テープやノーズピン、マウスピースなどのグッズを準備し、旅行中は横向き寝や飲酒のコントロールを心がけることで、いびきを軽減できます。また、根本的な改善を目指す場合は、専門医によるマウスピース療法、CPAP、レーザー療法などの治療を検討することが重要です。
いびきが大きく、無呼吸のサインがある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。この場合、放置すると命に関わる合併症を引き起こすリスクがあるため、早期の受診が必要です。
当院では、睡眠時無呼吸症候群の診断から、CPAPでいびきが改善しない方のために、マウスピース療法やレーザー治療など包括的な治療を提供しています。いびきでお悩みの方は、ぜひ一度東京BTクリニック歯科・医科までお気軽にご相談ください。安心して旅行を楽しめる日々を取り戻しましょう。

著者情報 医療法人社団誠歯会 理事長 歯学博士 東京BTクリニック 歯科・医科 加藤 嘉哉 YOSHIYA KATO 【経歴】 東京歯科大学 総合歯科 東京歯科大学 インプラント専門外来 医療法人誠歯会 加藤歯科クリニック 開業 日本大学松戸歯学部非常勤講師 【資格・所属学会】 PRGF-Endoret® 指導医、公認インストラクター 日本口腔インプラント学会 専門医

