2026年1月09日

朝起きると喉が痛い…その原因はいびきかもしれません
朝起きたときに「喉が痛い」と感じることはありませんか?
その原因、実は いびき によるものかもしれません。
いびきは単なる睡眠中の騒音ではなく、喉や気道に強い負担をかける現象です。
睡眠中に空気の通り道(上気道)が狭くなり、振動によって音が出ると同時に、粘膜に摩擦と乾燥を起こします。これが喉の炎症を引き起こし、朝の「喉が痛い」という症状につながるのです。睡眠時無呼吸症候群の専門医の立場から見ても、「いびきと喉の痛み」は軽視できないサインです。
放置すると、睡眠の質の低下だけでなく、慢性的な炎症、感染症リスク、さらには無呼吸の進行を招くこともあります。この記事では、いびきによって喉が痛くなるメカニズムと、症状別の効果的な対処法について、医学的根拠に基づいて詳しく解説します。
いびきで喉が痛くなる3つの主要原因
朝起きると「喉が痛い」「喉の奥がヒリヒリする」と感じる….。
それは、いびきによって喉の粘膜がダメージを受けている可能性があります。
いびきが喉の痛みを引き起こす原因は、大きく3つに分けられます。
① 喉の乾燥による粘膜ダメージ
いびきをかいているとき、ほとんどの人は口呼吸になっています。
鼻呼吸では、吸い込んだ空気が鼻の中で温められ、加湿された状態で体内に取り込まれます。しかし、口呼吸では冷たく乾燥した空気が直接喉を通るため、喉の粘膜が急速に乾燥してしまうのです。この乾燥によって喉の防御機能が弱まり、炎症を起こしやすくなります。特に冬場やエアコンの使用時は空気が乾燥しやすく、「いびき+乾燥」によって喉の痛みが悪化しやすくなります。
② 気道の振動による物理的刺激
いびきの正体は、狭くなった気道を空気が通過する際の振動音です。このとき、喉の粘膜や軟口蓋が強く振動し、物理的な刺激を受け続けています。大きないびきをかく人ほど振動が激しく、喉の組織に負担がかかります。一晩中この刺激が続くと、粘膜に細かな傷がつき、朝起きたときの喉の痛みにつながります。これは、声を出しすぎて喉が痛くなる仕組みと似ています。
③ 慢性的な炎症反応
いびきが習慣化している人は、喉の粘膜が慢性的な炎症状態になっていることがあります。乾燥や振動によるダメージが毎晩蓄積され、修復が追いつかなくなると、喉の奥に常に炎症を抱えた状態になります。
この慢性炎症は、朝だけでなく日中にも喉の違和感や声のかすれを感じる原因になります。さらに、炎症が続くと免疫力の低下や感染症への抵抗力の低下を引き起こすこともあります。扁桃腺やアデノイドが大きい人は気道がさらに狭くなり、喉への刺激が強まるため注意が必要です。
いびきの根本原因を知る〜喉の痛みを繰り返さないために〜
朝起きると喉が痛い、夜中に喉が乾いて目が覚める…。そんな症状が続いている場合、単に風邪ではなく「いびき」が原因で喉の痛みが起きている可能性があります。喉の痛みを根本から解消するには、まずいびきがなぜ起こるのかを正しく理解することが大切です。いびきは「気道が狭くなること」によって発生しますが、その原因は人によってさまざまです。
① 生活習慣に起因するいびき
日々の疲労やストレスがたまると、体は自然に筋肉を緩めて回復しようとします。
このとき喉の筋肉まで緩んでしまうと、気道が狭くなっていびきが出やすくなり、結果として喉が痛くなるのです。
さらに、飲酒習慣も大きな要因です。アルコールには筋肉をゆるめる作用があり、寝る前にお酒を飲むと喉の筋肉がさらに弛緩します。
その結果、いびきが強くなり、朝起きたときの喉の乾燥や痛みを引き起こします。
また、喫煙も見逃せません。タバコに含まれる化学物質は喉や気道の粘膜を刺激し、慢性的な炎症を引き起こします。
これにより、喉の腫れや痛み、違和感が続くようになり、いびきが悪化していくのです。
② 体型と解剖学的要因
体重が増えると、首まわりや舌にも脂肪がつき、気道が圧迫されやすくなります。
特に肥満体型の方は、寝ている間に舌が重力で喉の奥へ落ち込みやすくなり、気道が狭くなることで大きないびきをかきやすくなります。
その結果、喉の粘膜が強い振動を受け、朝起きたときに喉が痛い・ヒリヒリするという症状を訴える方も少なくありません。
また、扁桃腺やアデノイドが肥大している場合も、喉の奥のスペースが狭くなり、いびきや喉の痛みを引き起こします。
特に子どものいびきはアデノイドの肥大が原因であるケースが多く、喉の炎症や口呼吸の癖につながることもあります。
③ 女性ホルモンの影響
女性の中には、更年期を境に「いびきをかくようになった」「朝喉が痛い」と感じる方が増えます。その理由のひとつが、女性ホルモンの減少です。
女性ホルモンの一種「プロゲステロン」には、喉や気道の筋肉を引き締めて気道を広げる作用があります。しかし、閉経後はこのホルモンが減少するため、喉の筋肉が緩みやすくなり、いびきが出やすくなります。
その結果、気道が狭まり、いびきによる喉の痛みが起こりやすくなるのです。
症状別の具体的対処法
いびきによる喉の痛みは、症状の程度や原因によって適切な対処法が異なります。ここでは、自分でできる対策から医療機関での治療まで、段階的に解説します。
軽度の痛み:自宅でできる対策
朝起きた時に軽い痛みや違和感がある程度なら、まず生活習慣の改善から始めましょう。寝室の湿度を50〜60%に保つことで、喉の乾燥を防ぐことができます。加湿器を使用するか、濡れタオルを室内に干すだけでも効果があります。
寝姿勢を変えることも有効です。仰向けで寝ると舌が喉に落ち込みやすくなるため、横向きで寝るようにしましょう。抱き枕を使用すると、横向きの姿勢を維持しやすくなります。また、口呼吸防止テープやマスクを使用して、強制的に鼻呼吸を促す方法もあります。
口周りや舌の筋肉を鍛えることで、気道が狭くなるのを防ぐことができます。舌を前後左右に動かす運動や、「あいうえお」を大きく発声する練習を、1日5分程度続けてみてください。
中等度の痛み:医療機関での相談を検討
毎朝確実に喉が痛い、日中も違和感が続くという場合は、医療機関での相談を検討してください。専門の医療機関ではいびきの原因を詳しく調べることができます。鼻詰まりが原因の場合は、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の治療が必要になることがあります。
鼻中隔湾曲症や鼻ポリープなど、鼻腔内の構造的な問題がある場合は、手術による改善も選択肢となります。扁桃腺の肥大が著しい場合も、同様に外科的治療が検討されます。
重度の症状:睡眠時無呼吸症候群の可能性
大きないびきに加えて、睡眠中に呼吸が止まる、日中の強い眠気がある、起床時の頭痛があるといった症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。この病気は、高血圧や糖尿病、動脈硬化などのリスクを高めるため、早期の診断と治療が重要です。
当院のいびき治療
CPAP療法で改善が得られなかった方、あるいはマウスピース装着時に顎関節の違和感・痛みを感じる方に向けて、当院では顎の動きと噛み合わせを考慮した専門的な治療を行っています。
マウスピース治療(口腔内装置療法)
就寝時に装着するマウスピースで下あごを前方に誘導し、舌の位置を安定させて気道を広げる治療です。CTやセファロで精密に診断し、噛み合わせや顎関節の状態に合わせてオーダーメイド製作します。
軽度〜中等度の睡眠時無呼吸症候群やいびき改善に適しています。

可動式タイプ
自然な開閉が可能で、装着時の違和感が少なく初心者向け。
固定式タイプ
下顎をしっかり固定し、無呼吸や重度のいびきにも対応。
症状や顎関節の動きを考慮し、最適なタイプを選択します。
レーザー治療(ナイトレーズ)
レーザーをのどの粘膜に照射して組織を引き締め、気道を広げる非侵襲的治療です。切開・麻酔不要で痛みや出血の心配が少なく、1回15〜30分の施術を数回行うことで徐々にいびきが改善します。
口腔・舌の筋力トレーニング
舌や口まわりの筋肉を鍛えることで、気道の閉塞を防ぎいびきを軽減します。
「あ・い・う・え・お」の発声運動や舌の前後左右運動など、簡単なリハビリ法を指導しています。
総合的な治療アプローチ
東京BTクリニック歯科・医科では、睡眠検査・CT診断をもとに鼻・喉・顎を総合的に評価し必要に応じて、CPAPとの併用療法や複合的な治療プランをご提案しています。
よくある質問
Q1. 喉が痛いときに市販の喉スプレーや薬は効果がありますか?
A. 市販の喉スプレーや鎮痛薬は、一時的に喉の痛みを和らげる効果があります。
ただし、これらは「症状を抑えるだけの対症療法」であり、いびきそのものの原因を取り除く治療ではありません。
もし「いびきをかいた翌朝に喉が痛い」「数日続けて喉が痛くなる」といった状態が続く場合は、喉や気道に慢性的な負担がかかっている可能性があります。根本的な原因を特定し、いびき治療と並行して喉の炎症を改善することが重要です。
Q2. いびき防止グッズは本当に効果がありますか?
A. 鼻腔拡張テープや口呼吸防止テープなどのいびき防止グッズは、軽度のいびきによる喉の痛みには一定の効果があります。
鼻呼吸を促すことで、口呼吸による喉の乾燥を防ぎ、朝の「喉が痛い」という症状を軽減できるケースもあります。
しかし、睡眠時無呼吸症候群などの重度のいびきには効果が限定的です。いびきや喉の痛みが改善しない場合は、医療機関で根本的な原因を調べることをおすすめします。
Q3. 子どものいびきや喉の痛みも治療が必要ですか?
A. はい。子どものいびきや喉の痛みは、アデノイドや扁桃腺の肥大が原因で起こることが多く、成長とともに自然に改善する場合もあります。
ただし、「睡眠中に呼吸が止まる」「日中の集中力が落ちる」「朝から喉が痛い」などの症状が見られる場合は、小児睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
放置すると成長や発達に影響を与えることもあるため、早めに小児科や耳鼻咽喉科で相談しましょう。
Q4. アレルギー性鼻炎があると喉が痛くなりやすいですか?
A. はい。アレルギー性鼻炎で鼻が詰まると、自然と口呼吸になり、喉の粘膜が乾燥して喉が痛みやすくなります。
この状態が続くと、喉の炎症やいびきが悪化することもあります。
「鼻づまり+喉が痛い+いびきをかく」といった症状がある方は、アレルギー性鼻炎の治療を受けることで、喉の痛みやいびきの改善が期待できます。
Q5. いびきは遺伝しますか?喉の痛みも関係しますか?
A. いびき自体が直接遺伝するわけではありませんが、顔の骨格や気道の構造、肥満体質などの遺伝的要素が影響します。家族にいびきをかく人が多い場合、同じように「喉が痛くなる」「朝のどが乾いている」といった症状が出やすい傾向があります。生活習慣を整え、鼻呼吸を意識することで、いびきによる喉の痛みを予防することができます。
Q6. 喉の痛みが続く場合、どの診療科を受診すればいいですか?
A. 「喉が痛い」「いびきを指摘された」「朝のどがヒリヒリする」などの症状が長引く場合は、耳鼻咽喉科や睡眠専門クリニックを受診しましょう。
喉の粘膜炎症・気道の狭窄・睡眠時無呼吸など、原因が複数重なっていることが多いため、呼吸と睡眠の両面からの診断が効果的です。
まとめ:喉の痛みを放置せず、適切な対処を
いびきによる喉の痛みは、単なる不快な症状ではなく、体からの重要なサインです。乾燥、振動、慢性炎症という3つのメカニズムによって、喉は日々ダメージを受けています。軽度の症状であれば、加湿や寝姿勢の改善、筋力トレーニングなど、自宅でできる対策から始めてみましょう。
しかし、症状が続く場合や悪化する場合は、睡眠時無呼吸症候群などの深刻な病気が隠れている可能性があります。
いびきと喉の痛みを改善することで、睡眠の質が向上し、日中のパフォーマンスも高まります。喉の痛みを感じたら、それを放置せず、まずは生活習慣の見直しから始めてみてください。改善が見られない場合は、ぜひ専門医に相談してください。
いびきや睡眠時無呼吸症候群についてさらに詳しく知りたい方は、東京BTクリニック歯科・医科までお気軽にお問い合わせください。

著者情報 医療法人社団誠歯会 理事長 歯学博士 東京BTクリニック 歯科・医科 加藤 嘉哉 YOSHIYA KATO 【経歴】 東京歯科大学 総合歯科 東京歯科大学 インプラント専門外来 医療法人誠歯会 加藤歯科クリニック 開業 日本大学松戸歯学部非常勤講師 【資格・所属学会】 PRGF-Endoret® 指導医、公認インストラクター 日本口腔インプラント学会 専門医

