2026年1月22日

歯周病治療の流れとは?治療開始前に知っておきたい基礎知識
歯周病治療は、患者さん一人ひとりの症状や進行度によって異なります。軽度であれば数ヶ月で改善が見込めますが、重度になると1年以上の治療期間を要することもあります。治療の流れを事前に理解しておくことで、不安を軽減し、前向きに治療に取り組むことができるでしょう。
本記事では、歯周病治療の全体像から各ステップの詳細、そして最新の治療法まで、歯科医師の視点から包括的に解説します。
歯周病の進行段階と診断基準|あなたの症状はどの段階?
歯周病の治療方針を決定するうえで、まず重要なのが現在の進行段階を正確に把握することです。
歯周病は「歯周ポケット」の深さを初期 → 中等度 → 重度の3段階で進行します。
歯周ポケットとは、歯と歯茎の間にできる溝のことです。
| 進行段階 | 歯周ポケットの深さ | 主な症状・特徴 | 治療内容・期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 初期段階 | 2~5mm |
歯茎が薄ピンクから赤色に変化。歯磨き時に出血。 歯と歯茎の間の溝が深くなり始める。 骨へのダメージはまだ軽度。 |
スケーリング(歯石除去)+セルフケア。 約1~3ヶ月で改善可能。 |
| 中等度段階 | 5~7mm |
歯槽骨が半分ほどまでダメージ。 歯が浮く感じや、硬いものを咬むと痛みを感じる。 |
SRP(スケーリング・ルートプレーニング)で 歯茎の下の歯石を除去。 治療期間は約3~6ヶ月。 |
| 重症段階 | 7mm以上 |
歯槽骨の2/3以上が破壊。 歯のぐらつき・出血・歯茎の後退。 根元の虫歯リスクも上昇。 |
歯周外科治療が必要になることも。 治療期間は6ヶ月〜2年ほど。 |
歯周病は一度進行すると元の状態には戻りません。しかし、適切な治療とセルフケアで炎症を抑え、進行を食い止めることは可能です。早期発見・早期治療が何より重要なのです。
歯周病治療の基本的な流れ|初診から治療完了まで
① 初診・歯周病検査
まずは現在の口腔内の状態を詳しく確認します。
歯周ポケットの測定(深さ2mm未満が正常)
出血の有無のチェック
レントゲン撮影による骨の状態の確認
3mm以上の歯周ポケットや出血がある場合は、歯周病の可能性があります。
検査結果をもとに、一人ひとりに合わせた治療計画を立案します。
② 歯磨き指導(TBI)&クリーニング
歯周病治療の基本は「正しいセルフケア」です。
歯ブラシの角度は 歯に対して45度〜90度
力を入れすぎず、1ヶ所につき10〜20回ほど優しくブラッシング
歯間ブラシ・フロスで歯と歯の間も清掃
加えて「スケーリング」という専門的クリーニングを行います。
超音波器具で歯石を除去し、表面をなめらかに整えることで、歯周病菌の繁殖を抑制します。
③ 再評価(改善チェック)
初回クリーニングから2〜4週間後に再度検査を実施。
歯周ポケットの深さの変化
出血や腫れの改善の有無
改善が見られれば、定期メンテナンスへ移行します。
改善が不十分な場合は、さらに深い部分の治療に進みます。
④ SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
再評価で歯茎の奥に炎症が残っている場合に実施します。
歯茎の下に隠れた歯石(歯肉縁下歯石)を除去
歯根表面を滑らかにして、細菌の再付着を防止
麻酔を使用して行うこともあり、数回に分けて治療します。
治療後は再度検査を行い、歯茎の状態を確認します。
⑤ 歯周外科治療(必要に応じて)
SRPでも改善が難しい重度の歯周病では、外科的治療を行うことがあります。
フラップ手術:歯茎を切開し、深部の歯石を直接除去
歯周組織再生治療:PRGF療法を用いた骨・組織を再
外科処置は、歯を抜かずに残すための「最後のステップ」といえます。
⑥ メインテナンス・定期検診
炎症が落ち着いたら、再発防止のためのメンテナンスへ。
3〜6ヶ月ごとの定期検診
歯垢や歯石の除去
歯茎や歯周ポケットの再チェック
状態に応じて、矯正治療やインプラントなどによる咬合・審美機能の回復を行う場合もあります。
最新技術による歯周病治療「ブルーラジカル × PRGF療法」
当院では、従来の歯石除去や抗菌治療に加え、再発を防ぎ、歯を残すことを目的とした先進的な治療法を導入しています。


ブルーラジカル P-01
厚生労働省に認可された、世界初の非外科的・殺菌型歯周病治療器です。
405nmの青い光と過酸化水素を用いて発生する「フリーラジカル」が、歯周病菌を強力に殺菌し、炎症や排膿を根本から改善します。
主な特徴としては
痛みや出血がほとんどなく、切開・縫合を伴わない
抗生物質を使わずに殺菌でき、耐性菌の心配がない
1歯あたり数分で処置可能な短時間治療
治療後の回復が早く、患者さんの負担を軽減
また、患者行動変容アプリ「ペリミル」と連携し、スマートフォンで治療経過や炎症の状態を確認できます。
ご自宅でのケア習慣化をサポートし、再発防止につなげます。

PRGF療法(成長因子を用いた再生医療)
患者さん自身の血液から成長因子を抽出し、骨や歯周組織の再生を促す再生療法です。自己血液を用いるため、アレルギーや拒絶反応の心配がなく安全性が非常に高いのが特徴です。
期待できる効果としては
溶けた骨(歯槽骨)の再生を促進
歯周ポケットの改善・歯肉の再生
治癒促進による腫れや痛みの軽減
さらに、Er:YAGレーザーを併用することで、感染組織を安全かつ無痛に近い形で除去し、清潔な環境での再生治療を実現しています。
歯周病治療に関するよくある質問
歯周病は完全に治りますか?
歯周病になると、元の状態には戻りません。しかし、適切な治療やセルフケアで炎症をなくすことはできます。歯周組織となる歯槽骨はダメージを受けると元に戻らないため、早期に進行を食い止めることが重要です。治療後は定期的な検診でメンテナンスをし、歯垢の除去や歯茎に炎症がないかを確認していきます。
治療期間はどのくらいかかりますか?
歯周病の進行程度によって異なります。初期の場合は1~3ヶ月ほど、中等度の場合は3~6ヶ月ほど、重症の場合は6ヶ月~2年ほどかかります。中等度の歯周病の治療で行うSRPは数回に分けて行うため、治療期間も長くなる傾向です。矯正治療やインプラント治療を行うケースでは、最大で2年ほどの治療期間となるでしょう。
定期検診の間隔はどのくらいが適切ですか?
一般的には3~6ヶ月に1回の定期検診が推奨されます。ただし、歯周病の状態や全身疾患の有無によって異なります。糖尿病患者さんの場合、定期検診の間隔は3ヶ月よりも短くすることが推奨されます。担当の歯科衛生士から、あなたに合った定期検診期間をお伝えします。
痛みはありますか?
初期のスケーリングでは、ほとんど痛みはありません。しかし、SRPでは歯周ポケットの深くに治療器具を入れる必要があるため、痛みが出る恐れがあり、麻酔を使用することもあります。ブルーラジカルを使用した治療では、痛みを伴わずに治療を受けることができます。
費用はどのくらいかかりますか?
基本的な歯周病治療(検査、スケーリング、SRP)は保険適用となります。ただし、歯周外科治療や再生療法、ブルーラジカルやPRGF療法などの先進的な治療は、保険適用外となる場合があります。詳しい費用については、カウンセリング時に治療計画とともにご案内します。
まとめ〜歯周病治療は早期発見・早期治療が鍵
歯周病治療は、初診時の検査から始まり、スケーリング、SRP、必要に応じて歯周外科治療へと段階的に進められます。治療期間は進行度によって異なりますが、初期であれば1~3ヶ月、重症では6ヶ月~2年ほどかかります。
当院の治療法として、ブルーラジカル P-01やPRGF療法など、痛みが少なく効果的な選択肢も登場しています。これらの治療法は、従来の方法では難しかった重度歯周病の改善や、失われた骨の再生を可能にする可能性を秘めています。
しかし、どのような治療法を選択するにしても、最も重要なのは早期発見・早期治療です。歯周病は初期段階では自覚症状が乏しいため、定期的な歯科検診で早期に発見することが大切です。歯周病でお悩みの方、または予防に関心のある方は、ぜひ一度東京BTクリニック歯科・医科にお気軽に相談にいらしてください。

著者情報 医療法人社団誠歯会 理事長 歯学博士 東京BTクリニック 歯科・医科 加藤 嘉哉 YOSHIYA KATO 【経歴】 東京歯科大学 総合歯科 東京歯科大学 インプラント専門外来 医療法人誠歯会 加藤歯科クリニック 開業 日本大学松戸歯学部非常勤講師 【資格・所属学会】 PRGF-Endoret® 指導医、公認インストラクター 日本口腔インプラント学会 専門医

