2025年11月03日

膝関節痛に悩む方へ〜その痛みの原因を理解する
膝関節は私たちの体重を支え、日常生活のあらゆる動作に関わる重要な関節です。そのため、膝に痛みが生じると、生活の質が著しく低下してしまいます。日本では変形性膝関節症の患者数は約2500万人とも言われており、多くの方が膝の痛みに悩まされています。
この記事では、膝関節痛の主な原因と、最新の治療法について詳しく解説します。特に当院で行っているPRGF療法という再生医療についても触れていきます。
膝関節痛の主な原因〜なぜ痛みが生じるのか
膝関節痛には様々な原因がありますが、最も多いのは加齢や肥満に起因する「変形性膝関節症」です。この疾患は40代以降の女性に多く見られますが、筋肉の老化が始まる30代から発症する場合もあります。
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることで痛みが生じる疾患です。進行性であるため、放置すると膝が曲げ伸ばししにくくなり、痛みも強くなっていきます。
軟骨のすり減りによる痛み
関節軟骨の75%は水分で、主にヒアルロン酸によって弾力が保たれています。加齢によりヒアルロン酸が減少すると、関節軟骨が摩耗し、やがては大腿骨と脛骨がぶつかるようになって激しい痛みが生じます。
また、すり減った関節軟骨や半月板の破片が、滑膜を刺激して炎症を起こすことでも痛みが生じます。これが変形性膝関節症の主なメカニズムです。
筋力低下による関節への負担増加
膝関節周りの筋力が低下すると、膝の周囲が不安定になり、関節軟骨への衝撃が増して痛みが生じます。特に太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)の衰えは、膝関節の安定性に大きく影響します。
運動不足の現代人は、この筋力低下による膝関節痛のリスクが高いと言えるでしょう。
肥満やO脚による膝への負担
体重が増えると膝への負担が増します。また、O脚の方は膝の内側に体重が集中するため、膝関節軟骨がすり減りやすくなります。日本人の多くはO脚傾向にあるため、膝の内側に痛みを感じる方が多いのです。
実際、日本人は膝の内側に痛みが生じる内側型の変形性膝関節症を発症することが多く、その割合は9割とされています。
スポーツによる損傷
サッカーやバスケットボールなど、急な方向転換や着地の多いスポーツでは、膝に強い負荷がかかります。これにより、半月板損傷や靭帯損傷を起こすことがあります。
半月板は大腿骨と脛骨の間にある軟骨組織で、膝の内側と外側に存在します。膝に強い衝撃がかかることで半月板にヒビが入り、痛みが生じます。特に60代以降の方は、ちょっとした衝撃でも半月板が損傷しやすくなるので注意が必要です。
膝関節痛の症状と進行〜放置するとどうなるか
膝関節痛、特に変形性膝関節症は「時々膝が痛む」という軽微な症状から始まり、数十年かけて徐々に進行していきます。進行の度合いによって症状も変化していきます。
初期症状と進行のプロセス
変形性膝関節症の進行は、一般的に以下のような段階を経ます。
前期:関節軟骨に傷がつき始める段階。ぶつけたわけでもないのに、時々痛み、しばらくすると治まります。
初期:関節軟骨がすり減り始める段階。階段の上り下りや、いすから立ち上がる時など、動き始めに痛みを感じますが、しばらく休むと治まります。
進行期:関節軟骨が変形する段階。歩くだけでも痛み、安静にしても痛みが治まらなくなります。膝の周辺がはれて、ほてりを感じることもあります。
末期:関節軟骨が完全にすり減る段階。歩く時に杖や手すりが必要になるほど痛みが強くなります。
症状の現れ方には個人差がありますが、膝のこわばりやだるさ、痛みを感じたら、放置せず早い段階で治療を始めることが大切です。
痛みの出る場所による原因の違い
膝の痛みは、痛みを感じる場所によって原因が異なることがあります。
膝の内側の痛み:鵞足炎や内側型変形性膝関節症、内側半月板損傷などが考えられます。日本人に最も多いタイプです。
膝の外側の痛み:腸脛靭帯炎(ランナー膝)や外側半月板損傷などが原因となることが多いです。
膝の上部の痛み:大腿四頭筋腱炎(ジャンパー膝)や膝蓋大腿関節症などが考えられます。
膝の下部の痛み:膝蓋靭帯炎やオスグッド病などが原因となることがあります。
膝の裏側の痛み:ベーカー嚢腫や関節リウマチ、内側半月板後退損傷などが考えられます。
痛みの場所を医師に正確に伝えることで、より適切な診断と治療につながります。当院では、患者様の症状を丁寧に伺い、的確な診断を心がけています。
膝関節痛の従来の治療法とその限界
膝関節痛、特に変形性膝関節症の治療には、従来からさまざまな方法が用いられてきました。症状の程度によって治療法は異なりますが、一般的には以下のような方法があります。
保存的治療法
症状が軽度から中等度の場合、まずは保存的治療が選択されます。
薬物療法:痛み止めの内服薬や湿布・塗り薬などの外用薬を使用します。ただし、これらは一時的に痛みを抑えるだけで、根本的な解決にはなりません。
ヒアルロン酸注射:膝関節内にヒアルロン酸を注入することで、クッションの役割を果たし、潤滑油の補填のような役割を担います。効果は一時的で、定期的な注射が必要になることが多いです。
リハビリテーション:大腿四頭筋強化訓練や関節可動域改善訓練などを行います。筋力強化は膝関節の安定性を高め、痛みの軽減に効果的です。
物理療法:膝を温める治療や、電気刺激療法などを行います。
これらの保存的治療は、症状の進行を遅らせる効果はありますが、すでに損傷した軟骨を修復する効果は限定的です。そのため、症状が進行した場合には、より積極的な治療が必要になることがあります。
手術療法
保存的治療で効果が得られない場合や、症状が重度の場合には手術療法が検討されます。
関節鏡手術:内視鏡を使って関節内の損傷した組織を修復したり、取り除いたりします。
高位脛骨骨切り術:O脚を矯正するために骨を切って形を整える手術です。
人工膝関節置換術:損傷した関節を人工関節に置き換える手術です。最も侵襲性が高く、リハビリ期間も長くなります。
手術療法は効果的ですが、入院が必要であったり、リハビリ期間が長かったりするなどのデメリットもあります。また、すべての患者さんが手術に適しているわけではありません。
このような従来治療の限界を超える新たな選択肢として、近年注目されているのが再生医療です。
最新治療法:PRGF療法による膝関節痛の改善
当院では、膝関節痛に対する最新の治療法として「PRGF療法」を提供しています。PRGF療法は、患者様自身の血液を用いた再生医療の一種で、組織の修復を促進する治療法です。
PRGF療法とは
患者様自身の血液から抽出した血小板とその中に含まれる成長因子および血漿成分を活用し、組織の修復を促進する治療法です。自己血液由来のため安全性が高く、回復を早める効果があります。この技術を当院では歯科および整形外科分野、特に膝関節治療に応用しています。
PRGF療法のメリット
PRGF療法には以下のようなメリットがあります。
安全性が高い:患者様自身の血液を使用するため、アレルギーや拒絶反応のリスクが極めて低いです。
低侵襲な治療:注射による治療のため、手術のような大きな侵襲がなく、日帰りで治療が可能です。
早期回復:成長因子の働きにより、組織の修復が促進され、早期の回復が期待できます。
痛みの軽減:関節内の炎症を抑制し、痛みを軽減する効果があります。
機能改善:関節の動きがスムーズになり、日常生活の質が向上します。
実際に、世界的に有名なテニスプレイヤーのラファエル・ナダル選手は、再起不能と言われた重度のケガからPRGF療法を受けて見事に復活を果たしました。現在でも4大大会の前には必ずPRGF療法を受けており、選手生命の延長に貢献しているといえるでしょう。
PRGF療法の治療プロセス
PRGF療法の治療プロセスは以下の通りです。
血液採取:患者様の腕から少量の血液を採取します。
遠心分離:採取した血液を特殊な装置で遠心分離し、成長因子を豊富に含む血小板と血漿成分を抽出します。
注射:抽出した血小板とその中に含まれる成長因子および血漿成分を膝関節内に注射します。
経過観察:治療後の経過を観察し、必要に応じて追加治療を行います。
治療時間は約1時間程度で、日帰りで行うことができます。治療後は通常の生活に戻ることが可能ですが、激しい運動は控えていただくことをお勧めします。
東京BTクリニックの膝関節治療の特徴
当院では、膝関節痛に悩む患者様に最適な治療を提供するため、以下のような特徴ある治療を行っています。
手術に頼らない”切らない膝関節治療”
「手術しかない」と言われた方も、まずはご相談ください。当院では、PRGF療法を活用した膝関節の治療を提供しております。入院の必要もなく、体への負担も少ないため、お仕事や日常生活を続けながら治療が可能です。
関節の痛みや動きにくさでお困りの方に、切らずに改善を目指せる新しい選択肢をご提案いたします。
世界的に注目される再生医療
PRGF療法は、ケガの治療だけでなく、組織の回復促進やパフォーマンス向上にも活用されている再生医療です。
前述のように、テニス界のスーパースター、ラファエル・ナダル選手も実際にこの治療で復活を果たしています。「できるだけ早く復帰したい」「長くスポーツを続けたい」そんな想いを持つ方にご提供します。
経験豊富な整形外科専門医による診療
治療を担当するのは、元なでしこJAPANのチームドクターを歴任していた、整形外科専門医のDr吉岡です。
スポーツ外傷や関節疾患に関する豊富な知見と技術で、一人ひとりの症状に合わせた的確な治療を行います。
包括的な検査と診断
膝痛は単に膝関節だけの不具合とは限りません。当院では治療の前に提携施設にてMRIスキャンを行い、患部の原因を包括的に診断し最適な治療を行います。
また、検査の結果、手術が必要と診断した場合には患者さんのお住まいや疾患に応じて総合病院の選択肢をご提案させていただくことが可能です。
膝関節痛の予防と日常生活での注意点
膝関節痛、特に変形性膝関節症は、一度発症すると完全に元の状態に戻すことは難しい疾患です。そのため、予防が非常に重要になります。また、すでに膝に痛みがある方は、日常生活での注意点を守ることで、症状の進行を遅らせることができます。
効果的な予防法
膝関節痛を予防するためには、以下のような点に注意しましょう。
適正体重の維持:体重が増えると膝への負担が増加します。適正体重を維持することで、膝への負担を軽減できます。
筋力トレーニング:特に太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることで、膝関節の安定性を高めることができます。
ストレッチ:膝周りの筋肉や腱の柔軟性を保つことで、膝関節への負担を軽減できます。
正しい姿勢:歩行時や立ち座りの際の正しい姿勢を心がけることで、膝への負担を軽減できます。
適切な運動:水泳やサイクリングなど、膝に負担の少ない運動を選ぶことが重要です。
これらの予防法は、すでに膝に痛みがある方にとっても、症状の進行を遅らせる効果があります。
日常生活での注意点
膝に痛みがある方は、日常生活で以下のような点に注意しましょう。
急な動きを避ける:急に方向転換したり、急に立ち上がったりする動作は、膝に大きな負担をかけます。
長時間の正座を避ける:正座は膝に大きな負担をかけるため、できるだけ避けましょう。
階段の上り下りに注意:階段の上り下りは膝に大きな負担がかかります。可能であれば、エレベーターやエスカレーターを利用しましょう。
適切な靴の選択:クッション性の高い靴を選ぶことで、歩行時の衝撃を軽減できます。
膝を冷やさない:冷えは血行を悪くし、痛みを増強させることがあります。特に冬場は膝を温めるよう心がけましょう。
これらの注意点を守ることで、日常生活での膝への負担を軽減し、痛みの悪化を防ぐことができます。
まとめ:膝関節痛と向き合うために
膝関節痛は、放置すると徐々に悪化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。しかし、適切な治療と予防を行うことで、痛みの軽減や進行の抑制が可能です。
本記事でご紹介したように、膝関節痛の主な原因は変形性膝関節症や半月板損傷などですが、痛みの出る場所や症状によって原因が異なります。そのため、正確な診断を受けることが重要です。
治療法としては、従来の保存的治療や手術療法に加え、当院で提供しているPRGF療法という再生医療があります。PRGF療法は、患者様自身の血液から抽出した成長因子を活用し、組織の修復を促進する安全性の高い治療法です。
当院では、カウンセリングやセカンドオピニオン相談も受け付けております。膝の痛みでお悩みの方は、お気軽に東京BTクリニック歯科・医科までお問い合わせください。

