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いびきが睡眠の質に与える影響~専門医が教える改善法|東京BTクリニック歯科・医科|歯と膝の再生治療|東京駅近く

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いびきが睡眠の質に与える影響~専門医が教える改善法

いびきが睡眠の質に与える影響~専門医が教える改善法|東京BTクリニック歯科・医科|歯と膝の再生治療|東京駅近く

2025年8月29日

いびきが睡眠の質に与える影響~専門医が教える改善法

いびきの原因と睡眠の質への影響

夜中に大きないびきをかいて、パートナーに起こされた経験はありませんか?実は、いびきは単なる音の問題ではなく、睡眠の質に大きな影響を与えています。
いびきは睡眠中に気道が部分的に塞がれることで発生する振動音です。この現象が起こると、体は十分な酸素を取り込めず、深い睡眠に入ることができなくなります。その結果、日中の眠気や集中力低下、さらには長期的な健康問題につながる可能性があるのです。
いびきの主な原因には、以下のようなものがあります:
口呼吸や舌の筋肉の弛緩による舌根沈下
鼻づまりや鼻腔の狭窄
のどの筋肉の緊張低下
肥満による首周りの脂肪蓄積
アルコールや睡眠薬の影響
加齢による筋肉の弾力性低下
特に注目すべきは「舌根沈下」という現象です。睡眠中は全身の筋肉が弛緩しますが、舌の筋肉も例外ではありません。舌の筋肉が衰えていると、寝ている間に舌が喉の奥に落ち込み、気道を狭くしてしまうのです。
これが空気の通り道を塞ぎ、いびきの原因となります。さらに深刻な場合は、気道が完全に塞がれる睡眠時無呼吸症候群へと進行することもあるのです。

吉岡 友和

いびきが引き起こす健康リスク

「ただのいびきでしょ?」と軽視していませんか?実は、いびきは様々な健康リスクと関連しています。
いびきによって睡眠の質が低下すると、体は十分な休息を得られません。睡眠中は体の回復や記憶の定着、ホルモンバランスの調整など、重要な生理機能が働いています。これらが妨げられることで、様々な健康問題が引き起こされる可能性があるのです。
いびきが引き起こす主な健康リスクには次のようなものがあります:
日中の強い眠気と集中力低下
高血圧や心臓病などの循環器系疾患のリスク上昇
糖尿病の発症リスク増加
記憶力や判断力の低下
免疫機能の低下
うつや不安などの精神的問題
特に注目すべきは、近年の研究でいびきと認知症の関連性が指摘されていることです。睡眠中の低酸素状態が続くと、脳内に「アミロイドβ」というタンパク質が蓄積しやすくなります。
このタンパク質はアルツハイマー型認知症の原因物質として知られており、通常は良質な睡眠中に脳から排出されるものです。しかし、いびきによって睡眠の質が低下すると、この排出プロセスが妨げられてしまうのです。

いびきは単なる音の問題ではなく、全身の健康に関わる重要なサインかもしれません。

また、いびきは家族関係にも影響を与えます。パートナーの睡眠を妨げることでお互いの睡眠の質が低下し、日中のイライラや関係性の悪化につながることも少なくありません。

舌のトレーニングでいびきを改善する方法

いびきの改善には、舌のトレーニングが非常に効果的です。舌は筋肉の塊であり、適切なトレーニングで鍛えることができるのです。
舌の筋肉が弱いと、睡眠中に舌が喉の奥に落ち込みやすくなります。これが気道を塞ぎ、いびきの原因となるのです。舌のトレーニングは、この筋肉を強化して舌の位置を適切に保つことを目的としています。実際に、舌のトレーニングを行った人は、行っていない人に比べていびきの症状が改善されることが分かっています。
私が患者さんに推奨している効果的な舌のトレーニング方法をいくつかご紹介します:

1. 舌の前後運動

まず、舌を前に突き出して5秒間キープします。その後、舌の先を上の歯の裏に付け、そのまま後ろに引き込み、再度5秒間キープします。この動作を3セット繰り返しましょう。

2. 舌の上下運動

口を開けて、舌を上顎全体に押し付けるイメージで、10秒間キープします。同じように、下顎全体にも舌を押し付け、さらに10秒間キープします。この動作も3セット繰り返します。

3. 舌の回転運動

口を閉じたままの状態で、歯の表面と歯茎を舌で舐めるようにして、ゆっくりと舌を回します。時計回りと反時計回りを各3回ずつ行いましょう。

4. あいうべ体操

「あ」「い」「う」「べ」と口を大きく動かして発音する体操です。「あ」では口を大きく開き、「い」では口を横に広げ、「う」では口を前に突き出し、「べ」では舌を出します。各動作を10秒間ずつ行い、これを3セット繰り返します。
これらのトレーニングは、朝晩の歯磨きの時など、日常生活の中で無理なく取り入れることができます。継続することが重要ですので、毎日少しずつでも続けていきましょう。
私の臨床経験では、これらのトレーニングを3ヶ月間継続した患者さんの多くが、いびきの減少を実感されています。特に軽度から中等度のいびきの方には効果的です。

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いびき防止グッズの選び方と効果

舌のトレーニングと並行して、いびき防止グッズの活用も効果的です。最近では様々ないびき防止グッズが市販されていますが、自分のいびきのタイプに合ったものを選ぶことが重要です。
いびき防止グッズは大きく分けて、口呼吸を防ぐタイプ、鼻呼吸を促進するタイプ、顎や舌の位置を調整するタイプなどがあります。それぞれのいびきの原因に合わせて選ぶことで、効果を最大化できるのです。
代表的ないびき防止グッズとその効果について解説します:

1. 口閉じテープ

上下の唇に垂直に貼るテープで、口呼吸を防ぎ鼻呼吸を促進します。睡眠中に口が開くのを防ぐことで、舌が喉の奥に落ち込むのを防ぎ、気道を確保します。使い捨てタイプが多く、手軽に試せるのが特徴です。
花粉症や鼻炎で鼻づまりがある方は、使用前に鼻通りを改善しておくことが重要です。

2. 鼻腔拡張テープ・鼻クリップ

鼻の付け根に貼るテープや、鼻に挿入するクリップで、鼻腔を広げて鼻呼吸をしやすくします。鼻づまりが原因のいびきに効果的です。特に花粉症の時期や風邪気味の時に役立ちます。
鼻クリップは洗って繰り返し使えるため、コスト面でも優れています。

3. 顎固定サポーター

顎を支えるベルト状のグッズで、口が開くのを防ぎます。口呼吸を防ぎ、下顎が後方に下がるのを防止することで、気道を確保します。洗って繰り返し使用できるタイプが多いです。
最近では、2025年モデルとして改良された製品も登場しており、より装着感が良く、効果的なものが増えています。

4. マウスピース

歯科医院で作製する専用のマウスピースは、下顎を前方に出した状態で固定することで、舌根沈下を防ぎ、気道を確保します。中等度から重度のいびきや睡眠時無呼吸症候群の方に効果的です。
歯科医師による適切な調整が必要ですが、効果は非常に高いです。睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、健康保険が適用される場合もあります。
どのグッズも、使用感や効果には個人差があります。まずは比較的安価な口閉じテープや鼻腔拡張テープから試してみて、効果が不十分な場合は歯科医院でのマウスピース作製を検討するのがおすすめです。

睡眠環境の整え方といびき対策

いびきの改善には、舌のトレーニングやグッズの活用だけでなく、睡眠環境の整備も重要です。適切な睡眠環境は、いびきの軽減だけでなく、睡眠の質全体を向上させる効果があります。
特に寝室の湿度管理は見落とされがちですが、乾燥した空気は喉の粘膜を刺激し、いびきを悪化させることがあります。加湿器を使用して湿度を50%程度に保つことで、気道の乾燥を防ぎ、いびきの軽減につながります。
いびきを軽減するための睡眠環境整備のポイントをご紹介します:

1. 適切な寝姿勢と枕の選択

仰向けで寝ると、重力で舌が喉の奥に落ち込みやすくなります。横向きの姿勢を保つことで、気道が確保されやすくなり、いびきが軽減することがあります。
また、枕の高さも重要です。高すぎても低すぎても気道に負担がかかります。首の自然なカーブを保てる高さの枕を選びましょう。体型や好みによって最適な高さは異なりますので、自分に合った枕を見つけることが大切です。

2. 寝室の温度と湿度管理

理想的な寝室の温度は18〜20℃程度、湿度は50〜60%程度と言われています。特に冬場は暖房で室内が乾燥しがちですので、加湿器の使用をおすすめします。
湿度が適切に保たれていると、気道の粘膜が潤い、いびきの軽減につながります。また、花粉症の方は空気清浄機を併用することで、アレルゲンを減らし、鼻づまりの軽減にも効果的です。

3. 就寝前の習慣の見直し

アルコールは筋肉をリラックスさせる作用があり、のどの筋肉も弛緩させるため、いびきを悪化させます。就寝の3時間前からはアルコール摂取を控えましょう。
また、就寝直前の水分摂取も控えめにすることをおすすめします。過剰な水分摂取は、体内の水分が組織に浸透し、気道の粘膜を腫れさせることがあります。これが気道を狭め、いびきの原因となることがあるのです。
スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。就寝の1時間前からはこれらの機器の使用を控え、体をリラックスさせる習慣を取り入れましょう。
これらの環境整備は、いびきの軽減だけでなく、全体的な睡眠の質を向上させる効果があります。ぜひ試してみてください。

専門医による治療法と最新アプローチ

セルフケアでいびきが改善しない場合は、専門医による診断と治療が必要です。いびきの原因は人それぞれ異なるため、適切な診断に基づいた治療が重要になります。
特に日中の強い眠気や、呼吸が止まるような重度のいびきがある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。この場合は早急に専門医を受診しましょう。

1. 睡眠検査(ポリソムノグラフィー)

睡眠の状態を詳しく調べるための検査です。脳波、心電図、呼吸状態、酸素飽和度などを測定し、睡眠の質やいびき、無呼吸の状態を客観的に評価します。
この検査結果に基づいて、適切な治療法が選択されます。軽度の場合は生活習慣の改善やマウスピースなどが推奨され、重度の場合はCPAP療法などが検討されます。

2. CPAP療法

CPAP(シーパップ)とは、持続陽圧呼吸療法の略で、マスクを通じて一定の圧力の空気を送り込み、気道が塞がるのを防ぐ治療法です。中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群に効果的です。
最新のCPAP機器は小型化・静音化が進み、使用感も向上しています。ただし、マスクの装着感や圧力に慣れるまで時間がかかることもあります。

3. 歯科的アプローチ

歯科医院では、オーダーメイドのマウスピース(スリープスプリント)を作製します。これは下顎を前方に出した状態で固定し、舌根沈下を防ぐ装置です。
軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群やいびきに効果的で、CPAPに比べて装着感が良く、持ち運びも容易です。定期的な調整が必要ですが、適切に作られたマウスピースは高い効果を発揮します。

4. 手術的治療

口蓋垂口蓋形成術(UPPP)や舌根正中切除術など、気道を広げるためのレーザー手術も選択肢の一つです。解剖学的な問題が明確な場合に検討されます。
手術は即効性がありますが、侵襲的であり、すべての方に適しているわけではありません。慎重な検討が必要です。

5. 最新の治療アプローチ

舌下神経刺激療法は、舌の筋肉を制御する神経を電気的に刺激し、気道の開存性を維持する新しい治療法です。小型の装置を体内に埋め込み、睡眠中に舌の筋肉をコントロールします。
また、近年では治療用アプリによる認知行動療法も注目されています。睡眠習慣の改善や姿勢の調整など、総合的なアプローチで睡眠の質を向上させる方法です。
いびきや睡眠時無呼吸症候群は、放置すると様々な健康リスクにつながる可能性があります。セルフケアで改善しない場合は、ためらわずに専門医に相談することをおすすめします。

まとめ:いびき改善で睡眠の質を高める

いびきは単なる音の問題ではなく、睡眠の質や健康全体に影響を与える重要な問題です。本記事でご紹介した方法を実践することで、いびきの軽減と睡眠の質の向上が期待できます。
まずは舌のトレーニングや適切ないびき防止グッズの活用、睡眠環境の整備など、自宅でできる対策から始めてみましょう。これらの方法で改善が見られない場合は、専門医による適切な診断と治療を受けることが重要です。
特に、いびきが大きく、日中の強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。早期発見・早期治療が健康維持のカギとなります。
私たち東京BTクリニック歯科・医科では、睡眠の質の改善に特化した診療を行っています。歯科と医科の両面からアプローチすることで、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療を提供しています。
特に、いびきや睡眠時無呼吸症候群に対しては、マウスピース療法とナイトレーズを併用とした治療を行っており、多くの患者様に喜ばれています。また、PRGFを用いた再生医療も取り入れ、より効果的な治療を目指しています。
質の高い睡眠は、健康的な生活の基盤です。いびきの改善を通じて、より良い睡眠と健康な毎日を手に入れましょう。
睡眠でお悩みの方は、ぜひ一度当クリニックにご相談ください。カウンセリングやセカンドオピニオン相談も受け付けております。
詳細は東京BTクリニック歯科・医科のホームページをご覧ください。

著者情報                                              医療法人社団誠歯会 理事長 歯学博士                                      東京BTクリニック 歯科・医科 加藤 嘉哉 YOSHIYA KATO                        【経歴】                                               東京歯科大学 総合歯科                                        東京歯科大学 インプラント専門外来                                  医療法人誠歯会 加藤歯科クリニック 開業                               日本大学松戸歯学部非常勤講師                                    【資格・所属学会】                                           PRGF-Endoret® 指導医、公認インストラクター                            日本口腔インプラント学会 専門医                                  日本臨床補綴学会 専門医                                       日本歯周病学会 認定医                                         IDIA顎顔面外科矯正 指導医                                     日本睡眠学会                                            日本睡眠歯科学会

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