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睡眠時無呼吸症候群は肥満だけが原因ではない真実|東京BTクリニック歯科・医科|歯と膝の再生治療|東京駅近く

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睡眠時無呼吸症候群は肥満だけが原因ではない真実

睡眠時無呼吸症候群は肥満だけが原因ではない真実|東京BTクリニック歯科・医科|歯と膝の再生治療|東京駅近く

2025年7月23日

睡眠時無呼吸症候群とは?症状と影響を理解する

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に繰り返し呼吸が止まってしまう病気です。医学的には、10秒以上呼吸が止まる状態を「無呼吸」と呼び、これが1時間に5回以上発生すると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

夜中に大きないびきをかき、時折呼吸が止まる—これが最も典型的な症状です。しかし、多くの患者さんは自分の症状に気づかず、家族に指摘されて初めて知ることが少なくありません。

この病気は単なる睡眠の問題にとどまらず、全身の健康に深刻な影響を及ぼします。呼吸が止まることで血液中の酸素濃度が低下し、血圧が急上昇するため、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、さらには心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる疾患のリスクが高まるのです。

日本における睡眠時無呼吸症候群の患者数は約300万人と言われています。しかし、症状が出ていない潜在患者も含めると、実に4人に1人がこの病気の可能性を持っているとも考えられています。

では、この病気はどのような人がなりやすいのでしょうか?

多くの方は「肥満の人がなりやすい」というイメージをお持ちかもしれません。確かに肥満は最も一般的なリスク要因ですが、実はそれだけではないのです。

肥満と睡眠時無呼吸症候群の関係性

肥満は睡眠時無呼吸症候群の最大のリスク要因です。特に20歳の時に比べて10kg以上体重が増えた方は、注意が必要です。

なぜ肥満が睡眠時無呼吸症候群を引き起こすのでしょうか?その仕組みは実に単純明快です。

肥満になると、体だけでなく舌やのどの周りにも脂肪がつき、太ってきます。その結果、空気の通り道である気道が狭くなり、睡眠中に呼吸が止まりやすくなるのです。特に仰向けで寝ると、重力の影響で舌が喉の奥に落ち込み、さらに気道を塞いでしまいます。

男性は女性の2〜3倍も睡眠時無呼吸症候群になりやすいと言われています。これは、男性が太ると上半身、特に顎や喉に脂肪がたまりやすい体質であることが関係しています。

また、生活習慣も大きく影響します。寝る前の飲酒、喫煙、睡眠薬の常用は、喉の筋肉の緊張を低下させたり、炎症を引き起こしたりして、気道を狭くする原因となります。

暴飲暴食をした後、そのまま寝てしまうと、普段よりいびきが大きくなったという経験はありませんか?これも一時的に気道が狭くなっている証拠なのです。

肥満による睡眠時無呼吸症候群は、体重減少によって大きく改善する可能性があります。研究によれば、体重の10%程度の減量でも症状が大幅に改善することが示されています。

意外な事実:痩せ型でも睡眠時無呼吸症候群になる

「私は太っていないから大丈夫」と思っていませんか?

実は、肥満でない方、痩せ型の方でも睡眠時無呼吸症候群になることがあります。これは、生まれつきの骨格や体の特徴が関係しているのです。特に日本人は欧米人に比べて顎が小さい人種であるため、もともと気道が狭く、睡眠時無呼吸症候群になりやすい傾向があります。痩せていても気道が狭ければ、睡眠中に呼吸が止まる可能性は十分にあるのです。

痩せ型でも睡眠時無呼吸症候群になりやすい体の特徴には、次のようなものがあります。

・顎が小さい
・小顔である
・首が短く太い
・舌や舌の付け根が大きい
・扁桃腺が大きい
・鼻中隔湾曲症がある
・噛み合わせが悪い

これらの特徴は、気道の狭さに直接関係しています。例えば、顎が小さいと舌の収まるスペースが不足し、舌が喉の方へ下がりやすくなります。また、小顔の方は顔の骨格が小さいため、必然的に気道も狭くなりがちです。

顎の骨が足りなくてインプラントが難しいと言われた

あなたは「小顔で悩んでいる」という方を見たことがありますか?実は、美容的には羨ましがられる小顔が、睡眠時無呼吸症候群のリスク要因になり得るのです。

このように、肥満だけが睡眠時無呼吸症候群の原因ではありません。痩せ型の方も油断せず、いびきや日中の強い眠気などの症状があれば、専門医に相談することをお勧めします。

女性と子どもの睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は男性に多いイメージがありますが、女性や子どもにも発症します。それぞれの特徴を見ていきましょう。

女性ホルモンの保護作用と閉経後のリスク

女性は男性に比べて睡眠時無呼吸症候群になりにくいと言われています。これは女性ホルモン(エストロゲン)に気道を広げる働きがあるためです。

しかし、年齢とともに女性ホルモンは減少していきます。特に閉経後は女性ホルモンが大幅に減少するため、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まります。

研究によれば、閉経後の女性は閉経前と比較して発症率がおよそ3倍となり、男性とほとんど差がなくなるとされています。つまり、50代以降の女性は特に注意が必要なのです。

子どもの睡眠時無呼吸症候群と扁桃肥大

子どもの睡眠時無呼吸症候群は、大人とは少し異なる原因で起こることが多いです。最も多いのが扁桃肥大です。

扁桃とは、喉の奥にある免疫組織で、通常は5〜7歳で最大となり、小学校を卒業するころには小さくなります。しかし、中には扁桃が肥大したままとなり、気道を狭くして睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことがあります。

子どもでも約2%に睡眠時無呼吸症候群があるとされています。症状としては、いびきのほか、落ち着きがない、集中力がない、成長が遅いなどが見られることがあります。

子どもの睡眠時無呼吸症候群は、成長に大きな影響を与える可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。いびきがひどい、口を開けて寝る、寝相が悪いなどの症状がある場合は、小児科や耳鼻咽喉科に相談しましょう。

睡眠時無呼吸症候群の検査と診断

睡眠時無呼吸症候群の診断には、まず問診と身体検査が行われます。いびきや日中の眠気の有無、肥満度、顎や首の形状などをチェックします。

その後、睡眠中の呼吸状態を調べる検査が行われます。検査方法は主に2種類あります。

簡易検査(アプノモニター)

まずは簡易型アプノモニターと呼ばれる装置で検査を行います。この装置は、鼻や口での呼吸の状態と血液中の酸素濃度を測定します。

自宅に持ち帰って就寝時に装着するため、普段の睡眠環境での検査が可能です。手軽なスクリーニング検査として広く普及しています。

精密検査(ポリソムノグラフィー)

簡易検査で睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、より詳しい検査としてポリソムノグラフィー(PSG)が行われます。

PSGでは、呼吸状態や血液中の酸素濃度に加えて、脳波や筋電図なども測定し、無呼吸の状態や睡眠の質への影響を総合的に調べます。通常は医療機関に1〜2泊入院して行われます。

これらの検査では、1時間あたりの無呼吸と低呼吸の平均回数を「無呼吸・低呼吸指数(AHI)」として測定し、睡眠時無呼吸症候群の重症度を判定します。

軽症:AHI 5以上15未満
中等症:AHI 15以上30未満
重症:AHI 30以上

また、閉塞性と中枢性の鑑別も行い、それぞれの病状に応じた適切な治療方針を決定します。

睡眠時無呼吸症候群の治療法

睡眠時無呼吸症候群の治療法は、原因や重症度によって異なります。主な治療法を見ていきましょう。

生活習慣の改善

まずは生活習慣の改善から始めます。肥満が原因の場合は、ダイエットが最も効果的です。体重の10%程度の減量でも症状が大幅に改善することがあります。

また、寝る前の飲酒を控える、禁煙する、睡眠薬の使用を見直すなども重要です。横向きで寝ることで、舌が喉の奥に落ち込むのを防ぐ効果も期待できます。

CPAP療法

中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群には、持続陽圧呼吸療法(CPAP)が有効です。CPAPは、マスクを装着して持続的に空気圧をかけることで、気道の閉塞を防ぐ治療法です。

効果は即効性があり、使用初日から症状が改善することが多いですが、毎日使用し続ける必要があります。最近の機器は小型化・静音化が進み、使いやすくなっています。

マウスピース(口腔内装置)

軽症から中等症の場合は、マウスピース(口腔内装置)が選択肢となります。これは、下顎を前方に引き出して保持することで、舌が喉の奥に落ち込むのを防ぎ、気道を確保する装置です。

CPAPに比べて手軽で、携帯性にも優れています。ただし、顎関節への負担や歯の移動などの副作用に注意が必要です。

手術療法

扁桃肥大や鼻中隔湾曲症など、明らかな解剖学的異常がある場合は、手術による治療も選択肢となります。

特に小児の睡眠時無呼吸症候群では、アデノイドや扁桃の摘出手術が効果的なことが多いです。成長に大きな影響を与える可能性があるため、積極的に手術が勧められることがあります。

成人では、軟口蓋や舌根部の手術、顎の骨を前方に移動させる手術などがありますが、適応は慎重に判断されます。

東京BTクリニック歯科・医科の睡眠時無呼吸症候群治療

睡眠時無呼吸症候群の治療には、専門的な知識と技術を持った医療機関での診療が重要です。東京BTクリニック歯科・医科では、睡眠の質を改善する根本治療を提供しています。

当クリニックの「BT」は「Benefit(ベネフィット)」と「Treatment(トリートメント)」を意味し、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせた治療を通じて、口腔だけでなく体全体の健康を支援することを理念としています。

特に、単に見た目の歯並びだけでなく、噛み合わせや呼吸の改善も考慮した歯列矯正や、睡眠時無呼吸症候群に対する治療に力を入れています。

固定式マウスピースと可動式マウスピースを採用しCPAPを使い続けられない方への睡眠時無呼吸症候群への治療にも取り組んでおります。

またダウンタイムのないE-yagレーザーを活用したナイトレーズも提供しており、日帰りで睡眠時無呼吸症候群治療が可能です。

2025年4月30日に新規開院したばかりの当クリニックは、東京駅近くに位置し、アクセスも良好です。カウンセリングやセカンドオピニオン相談も受け付けていますので、睡眠でお悩みの方はぜひご相談ください。

まとめ:睡眠時無呼吸症候群は肥満だけが原因ではない

睡眠時無呼吸症候群は、肥満の方に多い病気ですが、肥満でない方でも発症することがあります。特に日本人は顎が小さい人種であるため、痩せていても気道が狭く、睡眠時無呼吸症候群になりやすい傾向があります。

顎が小さい、小顔である、首が短く太い、舌が大きいなどの体の特徴も、睡眠時無呼吸症候群のリスク要因となります。また、女性は閉経後、子どもは扁桃肥大がある場合に発症リスクが高まります。

睡眠時無呼吸症候群は放置すると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、さらには心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる疾患のリスクを高めます。いびきや日中の強い眠気などの症状がある場合は、早めに専門医に相談することが重要です。

治療法としては、生活習慣の改善、CPAP療法、マウスピース、レーザー治療、額顔面骨格矯正などがあり、原因や重症度に応じて適切な治療が選択されます。

東京BTクリニック歯科・医科では、睡眠時無呼吸症候群に対する専門的な治療を提供しています。噛み合わせや呼吸の改善も考慮した歯列矯正や、PRGFを用いた再生医療など、患者様一人ひとりに合わせた治療を行っています。

健やかな睡眠は健康の基本です。睡眠でお悩みの方は、ぜひ専門医に相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。

著者情報                                              医療法人社団誠歯会 理事長 歯学博士                                      東京BTクリニック 歯科・医科 加藤 嘉哉 YOSHIYA KATO                        【経歴】                                               東京歯科大学 総合歯科                                        東京歯科大学 インプラント専門外来                                  医療法人誠歯会 加藤歯科クリニック 開業                               日本大学松戸歯学部非常勤講師                                    【資格・所属学会】                                           PRGF-Endoret® 指導医、公認インストラクター                            日本口腔インプラント学会 専門医                                  日本臨床補綴学会 専門医                                       日本歯周病学会 認定医                                         IDIA顎顔面外科矯正 指導医                                     日本睡眠学会                                            日本睡眠歯科学会

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