睡眠時無呼吸症候群が引き起こす10の合併症と対策|東京BTクリニック歯科・医科|歯と膝の再生治療|東京駅近く

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睡眠時無呼吸症候群が引き起こす10の合併症と対策

睡眠時無呼吸症候群が引き起こす10の合併症と対策|東京BTクリニック歯科・医科|歯と膝の再生治療|東京駅近く

2025年7月18日

睡眠時無呼吸症候群とは?健康への隠れた脅威

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まってしまう病気です。この病気は単なる「いびき」と軽視されがちですが、実は全身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

睡眠中に呼吸が10秒以上停止する状態が1時間に5回以上、または7時間の睡眠中に30回以上発生すると、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

睡眠時無呼吸症候群には主に「閉塞性」と「中枢性」の2つのタイプがあります。閉塞性は上気道が物理的に塞がれることで起こり、中枢性は脳からの呼吸指令に問題が生じることで発生します。日本では閉塞性のタイプが圧倒的に多いとされています。

この病気の怖さは、患者自身が気づかないうちに様々な合併症のリスクが高まっていくことにあります。今日は、睡眠時無呼吸症候群が引き起こす10の主な合併症と、その対策について詳しくお話しします。

合併症①:高血圧 – 睡眠時無呼吸症候群と血圧の密接な関係

睡眠時無呼吸症候群の患者さんに最も多く見られる合併症が高血圧です。実は、睡眠時無呼吸症候群の患者さんの約68%に高血圧が合併しているというデータがあります。

なぜ睡眠時無呼吸症候群が高血圧を引き起こすのでしょうか?

睡眠中に無呼吸状態になると、血液中の酸素濃度が低下します。この状態から呼吸を再開させるために、脳は覚醒状態になり、交感神経が活性化します。本来、睡眠中は副交感神経が優位になって心身を休めるべき時間なのですが、交感神経が優位になることで血圧が上昇してしまうのです。

さらに、無呼吸により血液中の酸素濃度が低下すると、心臓は体中に酸素を送るために活発に働かざるを得ません。これも血圧上昇の要因となります。

睡眠時無呼吸症候群は二次性高血圧の原因疾患の一つとされています。二次性高血圧とは、別の病気が原因で起こる高血圧のことで、原因疾患があるために降圧剤が効きにくいという特徴があります。

重要なのは、睡眠時無呼吸症候群に伴う高血圧では、睡眠時無呼吸症候群自体を治療することで高血圧の改善も期待できるということです。つまり、原因である睡眠時無呼吸症候群を適切に治療することが、高血圧対策の鍵となります。

合併症②:心臓病 – 不整脈から心不全まで広がるリスク

睡眠時無呼吸症候群は様々な心臓病のリスクを高めます。特に注意すべきは不整脈と心不全です。

不整脈とは心臓の鼓動が不規則になる状態で、異常に速くなる頻脈や遅くなる徐脈なども含まれます。睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、非患者と比べて不整脈、特に心房細動のリスクが2〜4倍も高くなります。

心房細動は動悸、息切れ、疲労感を伴う不整脈の一種です。心房が十分に収縮できないため心不全を引き起こしたり、血栓ができて脳梗塞を引き起こしたりする危険性があります。

また、虚血性心疾患のリスクも高まります。虚血性心疾患とは、冠動脈が狭くなったり詰まったりして心筋に十分な血液が届かなくなる状態で、狭心症や心筋梗塞などが代表的な疾患です。

睡眠時無呼吸症候群は重症になるほど動脈硬化を進行させることがわかっています。睡眠中の間欠的な低酸素状態が、血管内皮細胞を障害し、動脈硬化を促進すると考えられています。

さらに、睡眠時無呼吸症候群は血管を詰まらせる血栓をできやすくしたり、冠動脈の痙攣を引き起こしたりすることにも関与しているといわれています。

心不全の患者さんの30〜50%に睡眠時無呼吸症候群が合併しているというデータもあります。無呼吸状態になると交感神経が優位になり、睡眠中も心臓が活発に活動して休めないため、心臓の機能が低下してしまうのです。

合併症③:脳卒中 – 睡眠時無呼吸症候群が脳に与える影響

脳卒中は、脳の血管が詰まる脳梗塞や、血管が破れて出血する脳出血が起きた病態です。脳に損傷を受けて、言語障害や麻痺などの後遺症に悩まされる深刻な疾患です。

厚生労働省の令和3年(2021)人口動態統計によると、脳卒中(脳血管疾患)は日本人の死因の4位となっています。そして、重症の睡眠時無呼吸症候群患者さんでは脳卒中の発症リスクが高くなるといわれています。

具体的には、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、心筋梗塞になる確率が3倍、脳梗塞になる確率は4倍にもなるという調査結果があります。これは非常に深刻な数字です。

なぜ睡眠時無呼吸症候群が脳卒中のリスクを高めるのでしょうか?

睡眠時無呼吸症候群による間欠的な低酸素状態が、血管内皮細胞を障害し、動脈硬化を促進することが一因と考えられています。また、睡眠の分断による交感神経の亢進が血圧を上昇させ、脳血管に負担をかけることも関係しています。

さらに、睡眠時無呼吸症候群は血液を凝固しやすくする作用もあるため、脳梗塞のリスクが高まると考えられています。

脳卒中は一度発症すると後遺症が残ることも多く、生活の質を大きく低下させる可能性があります。睡眠時無呼吸症候群の治療は、脳卒中予防の観点からも非常に重要なのです。

合併症④:糖尿病 – 血糖コントロールへの悪影響

睡眠時無呼吸症候群と糖尿病は密接な関係にあります。睡眠時無呼吸症候群は糖尿病の発症リスクを高めるだけでなく、既存の糖尿病を悪化させる可能性もあります。

いびきや無呼吸により夜中に何度も目が覚めたり、息苦しい感覚になったりすると熟睡できません。そのストレスから血糖値や血圧が上昇し、脂肪が増えやすい身体になってしまいます。脂肪が増えると血糖値を下げるインスリンの作用が弱まり、糖尿病を発症するリスクが高まるのです。

また、睡眠時無呼吸症候群による間欠的な低酸素状態や交感神経の亢進が、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなる状態)を引き起こすことも分かっています。

睡眠時無呼吸症候群と糖尿病は、生活習慣とも深く関わっています。栄養バランスが悪い食事や、暴飲暴食をすることで脂肪の摂取量が増え、糖尿病を引き起こします。脂肪が増えると、喉の周りにも脂肪がついて気道を塞ぎ、睡眠時無呼吸症候群を発症します。

この2つの病気がお互いに悪影響を与えて、症状が悪化することもあるため注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群の診察ガイドライン2020によると、英国での研究では、糖尿病患者のうち65%が睡眠時無呼吸症候群を発症していて、そのうち26%は中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の状態でした。アメリカでの研究でも、糖尿病患者のうち77%が睡眠時無呼吸症候群を発症していて、そのうち38%が中等症以上の状態となっています。

これらの数字からも、糖尿病と睡眠時無呼吸症候群の強い関連性がうかがえます。

合併症⑤:精神疾患 – うつ病などのリスク増加

睡眠時無呼吸症候群は、いびきや無呼吸が原因で睡眠の質が低下し、十分に身体や精神が休まらない状態となります。そのような状態が続くと、精神のバランスが崩れて精神疾患になるリスクが上昇します。

2008年に久留米大学で実施された調査によると、睡眠時無呼吸症候群の患者さんが精神疾患を併発している確率は27.6%でした。その中でもうつ病が最も多く12.1%を占めていました。

睡眠時無呼吸症候群による慢性的な睡眠不足は、脳内の神経伝達物質のバランスを崩し、うつ病などの精神疾患のリスクを高めます。また、日中の過度の眠気や疲労感によって社会生活に支障をきたし、それがストレスとなって精神疾患を引き起こすこともあります。

精神疾患を発症すると行動する意欲が低下して運動量が減るため、肥満になり、いびきや無呼吸が悪化するという悪循環に陥ることもあります。

睡眠時無呼吸症候群の治療によって睡眠の質が改善されると、精神症状も改善されることが多いため、早期の適切な治療が重要です。

もし日中の強い眠気や疲労感、集中力の低下、気分の落ち込みなどが続く場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性も考慮して専門医に相談することをお勧めします。

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合併症⑥:突然死 – 睡眠時無呼吸症候群と予期せぬ死亡リスク

睡眠時無呼吸症候群と突然死の関連性については、いくつかの研究で指摘されています。フィンランドの研究では、460例の突然死について調べたところ、「常時~ほぼ常時」いびきをかく人が85人、「よく」いびきをかく人が88人であり、突然死全体の37.6%がいびきをかく人でした。

さらに、心臓・血管系の問題で突然死した人は186人(40.4%)でしたが、内訳をみるといびきをかく人の方が統計学的に有意に多かったとのことです。

他の海外の研究では、睡眠時無呼吸症候群の患者34名を4年間追跡調査したところ5名(15%)が死亡しており、その原因の内訳は心筋梗塞が3名、肺水腫が2名と予期せぬ突然な死亡であったということです。

日本では2000年に厚生労働省呼吸不全調査研究班が発表した集計があり、それによると294名の睡眠時無呼吸症候群の患者に対して約5年間追跡調査したところ、17名(5.8%)が死亡しており、そのうち8名は心筋梗塞や脳梗塞による突然死が原因でした。また、死亡した方の多くが起床後数時間以内に死亡したと報告されています。

睡眠時無呼吸症候群による低酸素状態が心臓や血管に負担をかけ、特に朝方に心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こしやすくなると考えられています。

このような深刻なリスクを考えると、いびきや日中の強い眠気などの症状がある場合は、早めに専門医に相談し、適切な検査と治療を受けることが非常に重要です。

合併症⑦:動脈硬化 – 血管の老化を加速させる要因

睡眠時無呼吸症候群は動脈硬化を促進することが分かっています。動脈硬化とは、血管の内側に脂質などが蓄積して血管が硬くなり、弾力性を失った状態です。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾患のリスクが高まります。

睡眠時無呼吸症候群による間欠的な低酸素状態は、血管内皮細胞(血管の内側を覆っている細胞)を障害します。血管内皮細胞は血管の健康を維持する重要な役割を果たしていますが、この細胞が障害されると、血管の炎症や酸化ストレスが増加し、動脈硬化が進行しやすくなります。

また、睡眠時無呼吸症候群による交感神経の亢進は、血圧の上昇や血管の収縮を引き起こし、血管壁への負担を増大させます。これも動脈硬化を促進する要因となります。

さらに、睡眠時無呼吸症候群は血液中の炎症マーカーを増加させることも知られています。これらの炎症反応も動脈硬化の進行に関与しています。

動脈硬化は自覚症状がないまま静かに進行するため、「サイレントキラー」とも呼ばれます。睡眠時無呼吸症候群の治療によって、動脈硬化の進行を抑制できる可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。

合併症⑧:認知機能障害 – 記憶力や判断力への影響

睡眠時無呼吸症候群は認知機能にも悪影響を及ぼすことが分かっています。睡眠中の間欠的な低酸素状態や睡眠の分断が、脳の機能に影響を与えるのです。

具体的には、記憶力の低下、注意力の散漫、判断力の鈍化、思考の柔軟性の低下などが見られることがあります。特に重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、これらの認知機能障害がより顕著に現れる傾向があります。

睡眠時無呼吸症候群による認知機能障害のメカニズムについては、いくつかの要因が考えられています。まず、睡眠中の間欠的な低酸素状態が脳細胞にダメージを与える可能性があります。脳は酸素を最も必要とする臓器であり、酸素不足に非常に敏感です。

また、睡眠の分断により、記憶の固定化や脳の修復に重要な深い睡眠(徐波睡眠)やレム睡眠が十分に取れないことも影響していると考えられています。

さらに、睡眠時無呼吸症候群による慢性的な睡眠不足は、脳内の神経伝達物質のバランスを崩し、認知機能に影響を与える可能性もあります。

長期的には、睡眠時無呼吸症候群は認知症のリスクを高める可能性も指摘されています。適切な治療によって睡眠の質が改善されると、認知機能も改善されることが多いため、早期の治療が重要です。

合併症⑨:肥満 – 悪循環を生み出す関係性

睡眠時無呼吸症候群と肥満は密接な関係にあり、お互いに悪影響を及ぼし合う「悪循環」を形成します。肥満は睡眠時無呼吸症候群の主要なリスク因子であると同時に、睡眠時無呼吸症候群自体が肥満を悪化させる要因にもなります。

肥満が睡眠時無呼吸症候群を引き起こす主なメカニズムは、首や喉の周りに脂肪が蓄積することで気道が狭くなり、睡眠中に閉塞しやすくなることです。また、腹部の脂肪が増えると横隔膜の動きが制限され、呼吸がしづらくなることも関係しています。

一方、睡眠時無呼吸症候群が肥満を悪化させる理由はいくつかあります。まず、睡眠の質が低下することで日中の疲労感が増し、身体活動量が減少します。また、睡眠不足は食欲を調節するホルモンのバランスを崩し、特に高カロリーの食品への欲求を高めることが知られています。

さらに、睡眠時無呼吸症候群による交感神経の亢進は、代謝を低下させる可能性もあります。これらの要因が重なって、睡眠時無呼吸症候群は肥満を悪化させる方向に働きます。

この悪循環を断ち切るためには、睡眠時無呼吸症候群の治療と並行して、適切な食事管理や運動療法による体重管理も重要です。実際に、体重減少によって睡眠時無呼吸症候群の症状が改善することが多くの研究で示されています。

合併症⑩:生活の質の低下 – 日常生活への多面的影響

睡眠時無呼吸症候群は身体的な合併症だけでなく、生活の質(QOL)にも大きな影響を与えます。日中の過度の眠気や疲労感は、仕事や学業のパフォーマンスを低下させ、社会生活に支障をきたすことがあります。

集中力や判断力の低下は、作業効率の低下や事故のリスク増加にもつながります。特に、運転中の居眠りは重大な事故を引き起こす可能性があり、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは交通事故のリスクが2〜7倍高いという報告もあります。

また、睡眠時無呼吸症候群による大きないびきは、パートナーの睡眠を妨げ、人間関係にも影響を及ぼすことがあります。いびきを気にして別室で寝るようになったり、旅行や出張を避けたりするなど、社会活動が制限されることもあります。

さらに、慢性的な睡眠不足や低酸素状態は、イライラや不安、抑うつ感などの精神的な問題を引き起こすこともあります。これらの精神的な問題も、生活の質を大きく低下させる要因となります。

睡眠時無呼吸症候群の適切な治療によって、これらの問題が改善されることが多いため、早期の診断と治療が重要です。治療によって睡眠の質が改善されると、日中の眠気や疲労感が軽減し、集中力や判断力が回復することで、生活の質が大きく向上します。

睡眠時無呼吸症候群の検査方法 – 正確な診断への道

睡眠時無呼吸症候群の診断には、いくつかの検査方法があります。最も基本的なのは問診と身体診察です。いびきの有無、日中の眠気、朝の頭痛、夜間頻尿などの症状について詳しく聞き取りを行います。また、肥満度や首の太さ、顎の形状なども重要な診断情報となります。

より客観的な評価のために、以下のような検査が行われます。

終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)

睡眠時無呼吸症候群の確定診断に最も信頼性の高い検査です。一晩入院して行う検査で、脳波、眼球運動、筋電図、心電図、呼吸状態、血中酸素濃度、いびきなど多項目を同時に測定します。

この検査により、無呼吸や低呼吸の回数、持続時間、睡眠の質、血中酸素濃度の変化などを詳細に評価することができます。

簡易検査(携帯型睡眠時無呼吸検査)

自宅で行える簡易的な検査です。呼吸状態、血中酸素濃度、脈拍などを測定します。PSGほど詳細なデータは得られませんが、スクリーニング検査として有用です。

最近では、スマートウォッチやスマートフォンアプリなどを使った簡易的なスクリーニング方法も開発されていますが、正確な診断には医療機関での専門的な検査が必要です。

これらの検査結果に基づいて、無呼吸低呼吸指数(AHI)という指標を用いて重症度が評価されます。AHIは1時間あたりの無呼吸と低呼吸の合計回数で、5未満が正常、5〜15が軽症、15〜30が中等症、30以上が重症と判定されます。

睡眠時無呼吸症候群が疑われる症状がある場合は、早めに専門医に相談し、適切な検査を受けることをお勧めします。

睡眠時無呼吸症候群の治療法 – 症状改善への多角的アプローチ

睡眠時無呼吸症候群の治療法は、症状の重症度や原因によって異なります。主な治療法には以下のようなものがあります。

生活習慣の改善

軽症の場合は、まず生活習慣の改善から始めることが多いです。具体的には以下のような対策が有効です。
体重管理:肥満は睡眠時無呼吸症候群の主要なリスク因子です。適切な食事と運動で体重を減らすことで、症状が改善することがあります。
睡眠姿勢の工夫:仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込みやすくなります。横向きで寝ることで症状が軽減することがあります。
アルコールや睡眠薬の制限:これらは筋肉を弛緩させ、気道閉塞を悪化させる可能性があります。
禁煙:喫煙は上気道の炎症を引き起こし、症状を悪化させることがあります。

CPAP療法

中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群に対して最も効果的な治療法です。CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続陽圧呼吸療法)は、マスクを通じて鼻や口から一定の圧力で空気を送り込み、気道が閉塞するのを防ぎます。

CPAP療法は即効性があり、使用初日から効果が現れることが多いです。ただし、マスクの装着感や機械の音などに慣れるまで時間がかかることもあります。

マウスピース(口腔内装置)

軽症から中等症の睡眠時無呼吸症候群や、CPAP療法が合わない患者さんに対して有効な治療法です。下顎を前方に引き出すことで、舌が喉の奥に落ち込むのを防ぎ、気道を確保します。

歯科医師が個々の患者さんの口腔内に合わせて作製するため、装着感が良く、持ち運びも容易です。ただし、顎関節や歯に負担がかかることがあるため、定期的な歯科チェックが必要です。

手術療法

特定の解剖学的異常(扁桃肥大、アデノイド肥大、鼻中隔湾曲など)がある場合や、他の治療法が効果的でない場合に検討されます。口蓋扁桃摘出術、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術、舌根部切除術などがあります。

最近では、舌下神経を電気刺激して気道を開存させる「舌下神経電気刺激療法」という新しい治療法も開発されています。

治療法の選択は、症状の重症度、原因、患者さんの希望や生活スタイルなどを考慮して、専門医と相談しながら決定することが重要です。

まとめ – 睡眠時無呼吸症候群の合併症と対策

睡眠時無呼吸症候群は単なる「いびき」の問題ではなく、全身の健康に関わる重要な疾患です。今回ご紹介した10の合併症は、いずれも生活の質や寿命に大きな影響を与える可能性があります。

高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病との関連性は特に強く、これらの疾患をお持ちの方は睡眠時無呼吸症候群の可能性も考慮する必要があります。

睡眠時無呼吸症候群の怖さは、患者さん自身が気づかないうちに様々な合併症のリスクが高まっていくことにあります。いびきがうるさい、日中に強い眠気を感じる、朝起きても疲れが取れないなどの症状がある場合は、早めに専門医に相談することをお勧めします。

適切な検査と診断を受け、症状に合った治療を行うことで、睡眠の質が改善され、合併症のリスクも低減することができます。特に、CPAP療法やマウスピース療法などの治療は、睡眠時無呼吸症候群自体の改善だけでなく、高血圧や糖尿病などの合併症の改善にも効果があることが分かっています。

健康な生活を送るためには、質の良い睡眠が不可欠です。睡眠時無呼吸症候群の早期発見・早期治療によって、健やかな毎日を取り戻しましょう。

当院では、睡眠時無呼吸症候群の検査から治療まで一貫して行っております。お悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

詳しい情報や予約方法については、東京BTクリニック歯科・医科のホームページをご覧ください。

著者情報                                              医療法人社団誠歯会 理事長 歯学博士                                      東京BTクリニック 歯科・医科 加藤 嘉哉 YOSHIYA KATO                        【経歴】                                               東京歯科大学 総合歯科                                        東京歯科大学 インプラント専門外来                                  医療法人誠歯会 加藤歯科クリニック 開業                               日本大学松戸歯学部非常勤講師                                    【資格・所属学会】                                           PRGF-Endoret® 指導医、公認インストラクター                            日本口腔インプラント学会 専門医                                  日本臨床補綴学会 専門医                                       日本歯周病学会 認定医                                         IDIA顎顔面外科矯正 指導医                                     日本睡眠学会                                            日本睡眠歯科学会

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