睡眠時無呼吸症候群の原因と最新治療法|専門医が解説|東京BTクリニック歯科・医科|歯と膝の再生治療|東京駅近く

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睡眠時無呼吸症候群の原因と最新治療法|専門医が解説

睡眠時無呼吸症候群の原因と最新治療法|専門医が解説|東京BTクリニック歯科・医科|歯と膝の再生治療|東京駅近く

2025年7月17日

睡眠時無呼吸症候群とは?基本的な理解から始めましょう

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、眠っている間に呼吸が何度も止まってしまう病気です。医学的には「10秒以上呼吸が止まる『無呼吸』や、呼吸が弱くなる『低呼吸』が、1時間あたり5回以上繰り返される状態」と定義されています。

日本では約940万人以上の潜在患者がいると推定されており、30~60代の約7人に1人が該当するといわれています。しかし、実際に治療を受けている患者は約73万人と、潜在患者の10%にも満たないのが現状です。

この病気は単なる「いびき」と軽視されがちですが、実は全身に深刻な影響を及ぼす可能性がある疾患です。睡眠の質が低下するだけでなく、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病など様々な生活習慣病のリスクを高めることが明らかになっています。

睡眠時無呼吸症候群の主な症状と見逃しやすいサイン

睡眠時無呼吸症候群には、夜間と日中に現れる特徴的な症状があります。まずは、これらの症状を詳しく見ていきましょう。

夜間に現れる主な症状

夜間に現れる代表的な症状は以下の通りです。                                  大きないびき:パートナーに指摘されることが多い症状です                       無呼吸:息が数秒~数十秒止まる状態                                   夜中に何度も目が覚める:特にトイレに行くために起きることが多い                    口やのどの乾燥:朝起きたときに喉が痛むことも                                  熟睡感の欠如:十分な時間寝ているのに疲れが取れない

これらの症状は、睡眠中に気道が狭くなったり、完全に閉塞したりすることで起こります。その結果、体が低酸素状態になり、脳が一時的に覚醒して呼吸を再開させるのです

日中に現れる症状と見逃しやすいサイン

睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、夜間の睡眠の質が低下するため、日中にも様々な症状が現れます。                 日中の強い眠気:会議中や運転中などに突然眠くなる                            集中力の低下:仕事や勉強のパフォーマンスが落ちる                              慢性的な疲労感:十分に休息を取っても疲れが取れない                         朝の頭痛:起床時に頭痛を感じることがある                              イライラや抑うつ感:気分の変動が大きくなる

特に見逃しやすいサインとして、「薬物治療を行っても改善されない夜間高血圧」や「起床時の頭痛」があります。これらの症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性を考慮する必要があるでしょう。

睡眠時無呼吸症候群の3つのタイプと主な原因

睡眠時無呼吸症候群は、症状のメカニズムによって3つのタイプに分類されます。それぞれのタイプと特徴を理解することで、適切な治療法を選択する手がかりになります。

閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)

最も一般的なタイプが「閉塞型」です。上あごや舌の付け根などが気道を圧迫して狭くなったり、完全に閉じてしまったりすることで息が止まる状態です。特徴的なのは、気道が狭くなっても呼吸しようと胸やお腹は動いていることです。気道が急に広くなったときに、大きないびきが出ることが多いでしょう。                 閉塞型の主な原因としては、以下のような要素が挙げられます。 

肥満:首や喉の周りに脂肪がつくことで気道が狭くなる                              解剖学的特徴:上顎が小さいために下顎も小さく、顎全体が後方に引っ込んだ状態になっています。また、扁桃腺の肥大も見られます。歯列により、舌が後方に押し込まれる可能性があります。                      加齢:年齢とともに喉の筋肉の緊張が低下する                                 アルコールや睡眠薬の使用:喉の筋肉をさらに弛緩させる

中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS)

中枢型は、脳の呼吸中枢からの信号が止まって呼吸が止まる状態です。肺や体格・骨格には異常はないものの、呼吸自体が止まってしまいます。心臓の働きが衰えた人の30~40%に中枢性の無呼吸がみられるという報告もあります。

中枢型の主な原因としては、脳卒中や心不全などの基礎疾患が関連していることが多いです。また、オピオイド系鎮痛薬の長期使用も原因となることがあります。

混合型睡眠時無呼吸症候群

混合型は、はじめに中枢性で無呼吸がはじまり、次第に胸やお腹が動いて努力呼吸になる状態です。閉塞型と中枢型の両方の特徴を持っているため、治療においても両方の要素を考慮する必要があります。

どのタイプの睡眠時無呼吸症候群であるかは、専門的な睡眠検査によって判断されます。自己判断は難しいため、症状が気になる方は専門医への相談をおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群がもたらす健康リスク

睡眠時無呼吸症候群は単なる睡眠の問題ではなく、放置すると様々な健康リスクを高める可能性があります。特に長期間にわたって治療せずにいると、以下のような深刻な合併症のリスクが高まることが研究で明らかになっています。

循環器系への影響

睡眠時無呼吸症候群による低酸素状態が繰り返されると、心臓や血管に大きな負担がかかります。その結果、以下のような循環器疾患のリスクが高まります。
高血圧:発症リスクが1.42~2.89倍に増加
心房細動などの不整脈:無呼吸状態が続くと交感神経の緊張が高まり、不整脈を引き起こす
心不全:心臓のポンプ機能が低下しやすくなる
冠動脈疾患:狭心症や心筋梗塞のリスクが高まる

脳血管系への影響

睡眠時無呼吸症候群は脳の血管にも悪影響を及ぼします。
脳卒中:発症リスクが1.75~3.3倍に増加
認知機能の低下:長期的な低酸素状態が脳の機能に影響を与える可能性

代謝系への影響

睡眠時無呼吸症候群は代謝にも影響を与え、以下のような疾患のリスクを高めます。
糖尿病:インスリンなどのホルモンの働きが悪くなる
脂質代謝異常:コレステロールや中性脂肪の値が上昇しやすくなる
メタボリックシンドローム:複合的な代謝異常のリスクが高まる

これらの健康リスクは、睡眠時無呼吸症候群の重症度に比例して高まる傾向があります。特に無呼吸低呼吸指数(AHI)が高い重症例では、これらの合併症のリスクがさらに増加します。
重要なのは、適切な治療によってこれらのリスクを低減できるという点です。2025年3月に発表された最新の研究によると、CPAP(持続陽圧呼吸療法)による治療は、全死亡率を37%、心血管疾患による死亡率を55%も低下させることが明らかになっています。

睡眠時無呼吸症候群の診断方法と検査

睡眠時無呼吸症候群の診断には、いくつかのステップがあります。症状の評価から始まり、必要に応じて詳細な検査へと進みます。

問診と初期評価

診断の第一歩は、医師による詳細な問診です。主な症状や生活習慣、既往歴などについて質問されます。また、ESS(エプワース眠気尺度)という質問票を用いて、日中の眠気の程度を評価することもあります。
医師は以下のような点に注目して評価します。
・いびきの有無と程度
・目撃された無呼吸エピソード
・日中の眠気や疲労感
・肥満の程度(BMI)
・首周りの太さ
・顎や顔の形態的特徴

簡易検査(自宅での検査)

症状から睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まず簡易検査が行われることが多いです。これは自宅で行える検査で、小型の機器を装着して睡眠中の呼吸状態を記録します。
簡易検査では主に以下の項目が測定されます。
・気流の変化(無呼吸・低呼吸の検出)
・血中酸素飽和度
・心拍数
・いびき音
・体位
検査終了後、データが解析され、無呼吸低呼吸指数(AHI)などの指標から重症度が評価されます。

精密検査(終夜睡眠ポリグラフィー検査)

簡易検査の結果によっては、より詳細な「終夜睡眠ポリグラフィー検査(PSG)」が必要になることがあります。これは睡眠医療の専門施設で行われる検査で、より多くのパラメーターを測定します。
PSGでは以下のような項目が測定されます。
・脳波(睡眠段階の評価)
・眼球運動
・筋電図
・気流
・呼吸努力
・血中酸素飽和度
・心電図
・体位
この検査により、睡眠時無呼吸症候群のタイプ(閉塞型、中枢型、混合型)や重症度をより正確に判断することができます。また、他の睡眠障害の有無も同時に評価できるのが特徴です。
検査結果に基づいて、医師は最適な治療法を提案します。治療の必要性や方法は、症状の重症度や合併症のリスク、患者さんの生活状況などを総合的に考慮して決定されます。

睡眠時無呼吸症候群の最新治療法

睡眠時無呼吸症候群の治療は、症状の重症度や原因、患者さんの状態に応じて選択されます。ここでは、2025年現在の最新治療法について詳しく解説します。

生活習慣の改善

軽症の場合や、他の治療法と併用する基本的なアプローチとして、生活習慣の改善が推奨されます。
減量:肥満が原因の場合、体重を減らすことで症状が改善することがあります
睡眠姿勢の工夫:仰向けで寝ると症状が悪化する場合、横向きで寝るよう工夫します
アルコール摂取の制限:就寝前のアルコールは喉の筋肉を弛緩させるため避けます
禁煙:喫煙は上気道の炎症を引き起こし、症状を悪化させる可能性があります
睡眠薬の見直し:一部の睡眠薬は症状を悪化させることがあります

CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)

中等度から重度の閉塞型睡眠時無呼吸症候群の標準的な治療法が、CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法です。これは、鼻や口に装着するマスクから持続的に空気を送り込み、気道が塞がるのを防ぐ治療法です。CPAPのメリットは以下の通りです。
・無呼吸の回数を大幅に減らし、睡眠の質を改善
・日中の眠気や疲労感の軽減
・高血圧や不整脈、心不全の改善
・心血管疾患のリスク低減
・動脈硬化の進展リスクの軽減
2025年3月に発表された最新の研究によると、CPAP療法は全死亡率を37%、心血管疾患による死亡率を55%も低下させることが明らかになっています。これは、CPAP療法が単に症状を改善するだけでなく、生命予後も改善する可能性を示しています。
ただし、CPAP療法は毎晩継続して使用する必要があり、マスクの不快感や使用の煩わしさから、継続率に課題があることも事実です。最近では、より快適に使用できるようマスクのデザインや機器の静音性が改良されています。

口腔内装置(マウスピース)療法

軽度から中等度の閉塞型睡眠時無呼吸症候群や、CPAP療法が合わない患者さんには、口腔内装置(マウスピース)が選択肢となります。これは、下顎を前方に引き出して保持することで、気道が塞がるのを防ぐ装置です。
口腔内装置のメリットは以下の通りです。
・CPAPに比べて携帯性が高く、使用が簡便
・静かで、パートナーへの影響が少ない
・電源が不要
一方、効果はCPAPよりも劣る場合が多く、顎関節への負担や歯の移動などの副作用が生じることもあります。歯科医師による定期的な調整と管理が必要です。

舌下神経電気刺激療法

比較的新しい治療法として、舌下神経電気刺激療法があります。これは、睡眠中に舌下神経を電気的に刺激することで、舌の筋肉の緊張を維持し、気道の閉塞を防ぐ方法です。この治療法は、他の治療法が合わない患者さんや、特定の解剖学的特徴を持つ患者さんに適しています。日本でも保険適用となっており、選択肢の一つとして考慮されています。

手術療法

解剖学的な異常が明らかな場合や、他の治療法が効果的でない場合には、手術療法が検討されることがあります。
口蓋垂軟口蓋咽頭形成術:軟口蓋や口蓋垂を切除して気道を広げる手術
扁桃腺摘出術:肥大した扁桃腺を摘出する手術
顎顔面骨格矯正手術:上顎や下顎の位置を変える手術


手術療法は一度で完了するというメリットがありますが、効果の予測が難しく、すべての患者さんに適しているわけではありません。また、手術のリスクも考慮する必要があります。
睡眠時無呼吸症候群の治療は、一人ひとりの状態に合わせて最適な方法を選択することが重要です。専門医による適切な診断と治療方針の決定が、治療成功の鍵となります。

東京BTクリニック歯科・医科における睡眠時無呼吸症候群治療

2025年4月30日に新規開院した東京BTクリニック歯科・医科では、睡眠時無呼吸症候群に対する専門的な治療を提供しています。当クリニックの「BT」は「Benefit(ベネフィット)」と「Treatment(トリートメント)」を意味し、患者様一人ひとりのお口の状態に合わせた治療を通じて、口腔だけでなく体全体の健康を支援することを理念としています。特に、睡眠時無呼吸症候群の治療においては、以下のような特徴があります。

総合的なアプローチ

睡眠時無呼吸症候群は、単に口腔内の問題だけでなく、全身の健康に関わる疾患です。当クリニックでは、歯科と整形外科の両分野の専門知識を活かし、総合的な視点から治療にアプローチしています。
・詳細な問診と検査による正確な診断
・患者様の生活スタイルや希望を考慮した治療計画の立案
・定期的なフォローアップによる治療効果の確認と調整

歯科的アプローチによる治療

当クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群に対して、歯科的なアプローチによる治療を提供しています。
CT、セファロを使用したカスタムメイドの口腔内装置:患者様の口腔内に合わせて製作する、快適で効果的なマウスピース

CTの特徴
・上下顎、歯列、気道の三次元的な評価。
・顎関節や気道の形態を詳細に知りたい場合。
・特に気道狭窄の精密評価や、複雑な症例(重度のSAS、骨格異常など)の際に使用されることがある。

セファロの特徴
・下顎や気道の骨格的な位置関係を評価
・気道の広がりの変化(装置装着前後の比較)をチェック。
・マウスピース(OA)によって下顎を前方に移動させた際の効果予測に使う。
噛み合わせや呼吸を考慮した歯列矯正:単に見た目の歯並びだけでなく、気道の確保も考慮した矯正治療
CPAPが使用できない患者様への代替治療:CPAPを継続できない方に適した治療法の提案
特に、「CPAPを使い続けられない」「いびきを改善したい」といった悩みを持つ患者様に対して、個々の状態に合わせた最適な治療法を提案しています。

PRGFを用いた再生医療の活用

当クリニックの大きな特徴は、PRGFを用いた再生医療の提供です。PRGFとは、患者様自身の血液から抽出した「成長因子」を活用し、組織の修復を促進する治療法です。自己血液を使用するため安全性が高く、回復を早める効果があります。睡眠時無呼吸症候群の治療においても、この技術を応用することで、より効果的な治療を目指しています。

一貫したサポート体制

当クリニックでは、患者様の治療を一貫してサポートできる体制を整えています。これまで様々な医療機関を受診しても悩みが解消されなかった患者様に対して、長期的な視点での治療とフォローアップを提供しています。睡眠時無呼吸症候群は長期的な管理が必要な疾患です。当クリニックでは、初期治療だけでなく、その後の経過観察や必要に応じた治療の調整など、継続的なサポートを行っています。睡眠時無呼吸症候群でお悩みの方、CPAPの使用に困難を感じている方、いびきの改善を希望される方は、ぜひ東京BTクリニック歯科・医科にご相談ください。カウンセリングやセカンドオピニオン相談も受け付けています。

詳細については、東京BTクリニック歯科・医科のウェブサイトをご覧いただくか、お電話またはWEB予約にてお問い合わせください。

まとめ:睡眠時無呼吸症候群の早期発見と適切な治療の重要性

睡眠時無呼吸症候群は、単なる「いびき」の問題ではなく、全身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性のある疾患です。日本では約940万人の潜在患者がいると推定されていますが、実際に治療を受けている方は約73万人と、その多くが未治療のままとなっています。

この記事でご紹介したように、睡眠時無呼吸症候群は高血圧、心疾患、脳卒中、糖尿病などの様々な生活習慣病のリスクを高めます。特に、2025年3月に発表された最新の研究では、適切な治療により全死亡率を37%、心血管疾患による死亡率を55%も低下させることが明らかになっています。

早期発見のためには、大きないびき、日中の強い眠気、起床時の頭痛、夜間の頻尿などの症状に注意が必要です。また、肥満や顔の形態的特徴(下顎が小さい、首が短いなど)も発症リスクを高める要因となります。

治療法としては、生活習慣の改善、CPAP療法、口腔内装置、舌下神経電気刺激療法、手術療法など、様々な選択肢があります。重要なのは、一人ひとりの状態に合わせた最適な治療法を選択することです。

東京BTクリニック歯科・医科では、歯科と医科の幅広い専門知識を活かし、睡眠時無呼吸症候群に対して、2種類(固定式/可動式)のマウスピースやダウンタイムのない日帰りレーザー治療(ナイトレーズ)、顎顔面骨格矯正など、総合的なアプローチを提供しています。特に、CPAPが合わない方や、他院で制作したマウスピースが合わない方、いびきの改善を希望される方に対して、個々の状態に合わせた治療法を提案しています。

睡眠時無呼吸症候群は適切な治療により、症状の改善だけでなく、合併症のリスク低減も期待できます。もし、ご自身やご家族に睡眠時無呼吸症候群が疑われる症状がある場合は、ぜひ専門医にご相談ください。詳しい情報や治療についてのご相談は、東京BTクリニック歯科・医科までお気軽にお問い合わせください。皆様の健やかな睡眠と健康をサポートいたします。

著者情報                                              医療法人社団誠歯会 理事長 歯学博士                                      東京BTクリニック 歯科・医科 加藤 嘉哉 YOSHIYA KATO                        【経歴】                                               東京歯科大学 総合歯科                                        東京歯科大学 インプラント専門外来                                  医療法人誠歯会 加藤歯科クリニック 開業                               日本大学松戸歯学部非常勤講師                                    【資格・所属学会】                                           PRGF-Endoret® 指導医、公認インストラクター                            日本口腔インプラント学会 専門医                                  日本臨床補綴学会 専門医                                       日本歯周病学会 認定医                                         IDIA顎顔面外科矯正 指導医                                     日本睡眠学会                                            日本睡眠歯科学会

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