2026年1月16日

変形性膝関節症とは何か?
立ち上がるときや歩き始めに感じる違和感、階段を降りるときの痛み。これらは単なる老化現象ではなく、「変形性膝関節症」の初期症状かもしれません。変形性膝関節症は、膝関節のクッションである軟骨が長い年月をかけて少しずつすり減り、最終的には関節の変形を引き起こす疾患です。膝関節は立ち上がるときや歩くときに体重がかかる構造であり、運動開始時や長時間歩行時、階段昇降時などに強い負荷がかかるため、日常生活のあらゆる動作に影響を及ぼします。
本記事では、変形性膝関節症の初期症状から末期症状まで、見逃せない7つのサインと具体的な対処法を詳しく解説します。
変形性膝関節症の初期症状:見逃せない7つのサイン
1. 動き始めの違和感や痛み
変形性膝関節症の最も代表的な初期症状は、起床時や椅子からの立ち上がり、歩き始めに感じる膝の動かしにくさや違和感です。
痛みというよりも「ちょっと膝が変」という程度の感覚から始まることが多いです。しかし、これらの違和感や痛みは、しばらくすると治まることが多いため、「ただの老化現象」「一過性の不調」と捉えられやすく、医療機関を受診せずに放置してしまうケースが非常に多いのです。痛みや違和感の発生箇所としては、膝の内側に生じることが多く、これは日本人にO脚傾向の方が多いからと言われてます。
2. 階段昇降時の痛み
変形性膝関節症初期の特徴的な初期症状として、階段昇降時の膝の痛みが挙げられます。階段の昇降動作は歩くよりも膝に負担がかかり、体重の4〜7倍の負荷がかかると言われています。そのため、「歩くことに問題がなくても階段で膝が痛む」という症状で疾患に気づくこともあります。
3. あぐらや正座をしづらくなる
あぐらや正座がしづらくなるのも、変形性膝関節症の初期症状として特徴的です。
あぐらや正座は膝関節に負担がかかりやすいため、変形性膝関節症を発症していると痛みが生じやすい傾向にあります。床に直接座ったり、和式トイレを使用したりする場合も、あぐらや正座と同様に膝関節に大きな負担がかかります。普段からあぐらをかいたり、床に直接座ったりする際に痛みや違和感が生じている方は、変形性膝関節症の初期症状の可能性が考えられます。
4. 膝の内側に痛みが集中する
日本人に多いO脚傾向により、膝の内側の軟骨がすり減りやすく、痛みも内側に集中することが多いです。膝の内側を押したときに圧痛がある場合、変形性膝関節症の初期症状である可能性があります。
5. 朝のこわばりが30分以内に治まる
45歳以上の方で、活動に伴う膝関節痛があり、朝のこわばりが30分以内の場合は、変形性膝関節症の初期症状である可能性があります。
6. 長距離歩行後の膝の痛み
初期段階では、長距離を歩いた後に膝関節に痛みが出現することがあります。普段の生活では問題なくても、買い物や散歩で長く歩いた後に痛みを感じる場合、注意が必要です。
7. 膝が「抜ける」ような不安定感
初期段階でも、膝関節の安定性が低下し、歩行中に膝が「抜ける」ような感覚や不安定感を覚えることがあります。これは軟骨のすり減りによって関節の適合性が悪くなっているサインです。
変形性膝関節症の中期症状〜日常生活への影響が顕著に
動作中も痛みが持続する
変形性膝関節症が進行すると、動作開始時だけでなく動作中も膝が痛むという状況になってきます。
動作中も痛みが続く
初期症状では「歩きはじめの数歩だけ痛い」という方が多いですが、中期症状になると歩いている間じゅうずっと痛みが続くようになります。
特に、買い物や荷物を持って歩くときに痛みが強くなり、「歩くこと自体がつらい」と感じるようになります。
その結果、外出や運動を避けるようになり、膝を支える筋肉が衰えていきます。
筋力が落ちると、体重を支える力が減り、関節への負担がさらに増加します。
この悪循環が進むと、痛みが強まり、症状が悪化していきます。
膝が腫れる・変形する
中期以降は、膝の炎症によって関節内に水がたまり(関節水腫)、膝が腫れて見えるようになります。
また、軟骨のすり減りが内側で進むことで、O脚が目立つようになるケースも多く見られます。
見た目の変化だけでなく
膝が重い
動かすと違和感がある
曲げ伸ばしで「ゴリゴリ」と音がする
といった症状も現れます。
膝をまっすぐ伸ばせなくなる
関節の変形が進行すると、膝の可動域が制限され、完全に伸ばしたり曲げたりできなくなることがあります。
そのため、
正座ができない
階段の上り下りがつらい
膝が突っ張って歩きにくい
といった日常動作に支障が出るようになります。
この段階では、膝関節の構造変化(骨の変形や軟骨の欠損)が進んでおり、
痛みだけでなく、機能的な制限が明確に現れる時期です。
変形性膝関節症の末期症状〜生活の質が著しく低下
安静にしていても痛みが生じる
末期になると、動いていないときでも膝に痛みが生じるようになります。夜間痛(痛みで眠れない)や安静時痛(じっとしている時に痛い)が起こり、日常生活に大きな支障をきたします。
脚が変形する
更に進行すると、膝関節の靭帯のバランスが悪くなり、筋力の低下も更に加わって、膝がぐらぐらした不安定な状態になります。O脚またはX脚の変形が目立ち、外見的にも明らかな変化が現れます。
歩行困難になる
階段の昇り降りや正座が困難になり、日常生活にも支障を来たすようになります。痛みと膝の機能低下で行動範囲が狭くなって行くため、精神的な負担が大きくなり時に抑鬱状態になることもあります。重症の場合歩行不能となり、日常生活動作(立ち上がり、歩行、階段など)が著しく制限されることがあります。
変形性膝関節症の原因とリスク要因
加齢による軟骨のすり減り
年齢を重ねるにつれて、軟骨は水分を失い、弾力性が低下し、薄くなっていきます。軟骨がすり減ると、骨同士がぶつかりやすくなり、炎症や痛みを引き起こします。高齢になるにつれて、軟骨の修復能力も低下するため、一度すり減ってしまった軟骨は元に戻りません。
肥満による膝への負担増加
体重が増えると、膝関節への負担も大きくなります。歩くたびに、膝には体重の4〜6倍の負荷がかかるとも言われ、肥満により症状を増悪させてしまいます。
女性ホルモンの減少
骨・軟骨・筋肉が健康に保たれるには、女性ホルモンの一種「エストロゲン」が重要な役割を果たしております。閉経後のエストロゲン減少が変形性膝関節症のリスクを高めます。
遺伝的要因
遺伝子も変形性膝関節症の発症に関与しています。家族に変形性膝関節症の方がいる場合、発症リスクが高まる可能性があります。
過去のけがや疾患
過去のけが(骨折や靱帯損傷)や疾患(関節リウマチなど)が原因となることもあります。外傷や半月板切除術後、あるいは炎症性・代謝性疾患に伴って生じる「二次性変形性膝関節症」は、原因が明らかなものです。
特定の職業・スポーツ
長期間におよび膝関節への負担がかかる姿勢をとっていたり、膝関節が内に入った状態(knee-in姿勢)での立ち座りや階段昇降など、力が加わる動作の繰り返しにより慢性的に膝関節にストレスがかかります。
変形性膝関節症の治療法〜PRGFという選択肢
PRGFとは?
患者さん自身の血液から抽出した血小板とその中に含まれる成長因子および血漿成分を活用し、膝関節の組織再生を促す最先端の再生医療です。
手術を行わず、体が本来もつ「自然治癒力」を活かして、軟骨や半月板の修復をサポートします。
PRGF治療の4つの特徴と魅力
自己血液を使用するため安全性が高い
アレルギーや拒絶反応のリスクがほとんどありません。
手術不要で外来治療が可能
体への負担が少なく、短時間で治療を受けられます。
根本的な組織再生を目指す
一時的な痛みの緩和ではなく、関節そのものの回復を促します。
副作用が極めて少ない
自然な治癒メカニズムを利用するため、身体への影響が最小限です。
なぜ変形性膝関節症に効果的なのか
変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減り、関節内に炎症が起きることで痛みや腫れを引き起こします。PRGF治療では、血小板由来の成長因子と血漿成分が軟骨細胞の再生を促し、炎症を抑え、関節機能を回復させます。
これにより、従来のヒアルロン酸注射や痛み止めでは得られなかった、治療効果が期待できます。
まとめ:変形性膝関節症の初期症状を見逃さないために
変形性膝関節症は、日本で約800万人が症状を抱える非常に一般的な疾患です。
初期症状は、動き始めの違和感や痛み、階段昇降時の痛み、あぐらや正座のしづらさなど、日常生活の中で見逃しやすいものばかりです。しかし、これらのサインを早期に発見し、適切な対処を行うことで、症状の進行を遅らせ、健康に過ごせる期間を長く保つことができます。
当院のDr吉岡は、日本整形外科学会認定専門医であり、膝関節外科を専門とする膝のスペシャリストです。これまで、なでしこジャパン(女子サッカー日本代表)のチームドクターを務めるなど、スポーツ現場や臨床の第一線で豊富な経験を積んでまいりました。
膝の痛みや違和感を感じたら、「ただの老化現象」と決めつけず、一度東京BTクリニック歯科・医科にお気軽に相談にいらしてください。

著者情報 医療法人社団誠歯会 理事長 歯学博士 東京BTクリニック 歯科・医科 加藤 嘉哉 YOSHIYA KATO 【経歴】 東京歯科大学 総合歯科 東京歯科大学 インプラント専門外来 医療法人誠歯会 加藤歯科クリニック 開業 日本大学松戸歯学部非常勤講師 【資格・所属学会】 PRGF-Endoret® 指導医、公認インストラクター 日本口腔インプラント学会 専門医

