2025年10月20日

いびきの原因と健康への影響
いびきが発生する主な仕組みは、睡眠中に上気道(鼻から喉にかけての空気の通り道)が狭くなることで起こります。この狭くなった部分を空気が通過する際に、周囲の軟部組織が振動して音が発生するのです。
特に仰向けで寝ると、重力の影響で舌が喉の方へ沈み込み(舌根沈下)、気道がさらに狭くなりやすくなります。これがいびきの音を大きくする一因となっています。
いびきの原因は一つではありません。様々な要因が複合的に関わっていることが多いのです。
いびきの主な原因
肥満
実際、BMI(体格指数)が25を超えると、いびきのリスクは大幅に高まります。
加齢
年を重ねるにつれて喉の筋肉が緩みやすくなり、気道が狭くなりやすくなります。これは40代以降の方に特に顕著に見られる現象です。
アルコールの摂取や睡眠薬の使用
一時的に喉の筋肉を弛緩させ、いびきを悪化させることがあります。就寝前の飲酒習慣がある方は、いびきの頻度や音量が増加する傾向にあります。
鼻炎やアレルギーや鼻づまり
鼻呼吸ができなくなると、必然的に口呼吸になり、いびきの原因となります。季節性のアレルギーがある方は、特定の時期にいびきが悪化することがあるでしょう。
その他
鼻中隔湾曲症や扁桃肥大、小顎症などが挙げられます。これらは生まれつきの特徴であることが多く、気道の狭窄を引き起こします。
いびきと睡眠時無呼吸症候群の関係
いびきは単なる音の問題ではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重要な警告サインである場合があります。SASは睡眠中に呼吸が何度も止まる深刻な疾患で、放置すると様々な健康リスクをもたらします。
いびきを単なる生活習慣の問題と軽視せず、睡眠の質や健康状態全体に関わる重要なサインとして捉えることが大切です。
自宅でできるいびき対策
いびきに悩んでいる方が自宅で試せる対策はいくつかあります。これらの方法は軽度から中等度のいびきに効果的で、生活習慣の改善から始められるのが特徴です。
睡眠姿勢の改善
仰向け(仰臥位)で寝ると、重力の影響で舌が喉の奥に落ち込み、気道が狭くなりやすくなります。横向き(側臥位)で寝ることで、この問題を軽減できることが多いのです。
体重管理と生活習慣の改善
適正体重を維持することで、いびきが大幅に改善するケースも少なくありません。
就寝前のアルコール摂取は喉の筋肉を弛緩させ、いびきを悪化させます。寝る3時間前からはアルコールを控えることをお勧めします。
規則正しい睡眠スケジュールを守ることも重要です。睡眠不足が続くと、深い睡眠時に筋肉がより弛緩し、いびきが悪化する傾向があります。毎日同じ時間に就寝・起床する習慣をつけましょう。
鼻呼吸の促進
鼻腔拡張テープは鼻の通気性を改善し、鼻呼吸をしやすくする簡単な方法の一つです。
。両方の鼻腔を外側に広げることから、鼻づまりの状態が改善され、睡眠中の鼻づまりに悩まされることなく快適な呼吸を維持できます。
アレルギー性鼻炎がある方は、アレルゲンを減らす工夫も大切です。寝具のこまめな洗濯や掃除機がけ、空気清浄機の使用なども効果的でしょう。
当院のいびき治療アプローチ
マウスピース治療
マウスピースは患者さん一人ひとりのお口の形状に合わせてオーダーメイドで作製します。当院では固定式と可動式の2種類があります。固定式は上下の顎を固定した状態で保持するタイプで、可動式は口を動かすことができるため快適な装着感が特徴です。


私の臨床経験では、軽度から中等度のいびきや睡眠時無呼吸症候群の患者さんに対して、このマウスピース治療が非常に効果的であることを確認しています。特にCPAP(持続陽圧呼吸療法)の装置を使用できない、または使いたくない患者さんにとっては、有効な選択肢となります。
レーザー治療
レーザーのエネルギーが組織を引き締め、気道を広げる効果をもたらすのです。
従来のメスによる切開手術とは異なり、このレーザー治療は痛みが少ない為麻酔の必要がありません。その為安全で、ダウンタイムもありません。治療時間も約15〜30分程度と短く、治療後すぐに日常生活に戻ることができます。またマウスピースと併用することでさらに効果を発揮することができます。

顎顔面骨格矯正
あごや顔面全体の骨格の成長や位置を改善する治療です。
特に、上あご(上顎骨)や下あご(下顎骨)が狭い・後退していると、舌の位置や気道の広さに影響し、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因になります。
顎顔面骨格矯正によって上顎を広げ、鼻呼吸を促進することで、いびきの改善だけでなく、顎の正常な発達も促すことができます。

まとめ:いびき撃退のための総合的アプローチ
いびきは単なる「うるさい音」の問題ではなく、睡眠の質や健康全般に影響を及ぼす重要な症状です。特に睡眠時無呼吸症候群を伴う場合は、様々な健康リスクが高まるため、適切な対策が必要です。
効果的な治療を求める場合は、歯科医療からのアプローチも有効です。マウスピース治療やレーザー治療は、侵襲性が低く、多くの患者さんに適した治療法として注目されています。
いずれの場合も、まずは専門医療機関での適切な診断を受け、自分に合った治療法を見つけることが大切です。東京BTクリニック歯科・医科では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた総合的ないびき治療を提供しています。
快適な睡眠は健康の基盤です。いびきでお悩みの方は、ぜひ専門家に相談し、質の高い睡眠と健康的な生活を取り戻しましょう。
詳しい情報や無料カウンセリングについては、東京BTクリニック歯科・医科までお気軽にお問い合わせください。
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